他人との食事で吐き気が起こるのはどうして?

 こんにちわ。カウンセラーのかずおかずです。

 今日は他人との食事や人混みや電車など、緊張する場面で吐き気が起こって気持ち悪くなる原因を詳しくお伝えします。この吐き気が起こる仕組みを理解していると、「何が自分にコントロールできて、何が自分にコントロールできないか」がわかります。自分に出来る事を明らかにしておくことは非常に大切です。何をすべきかをあらかじめ分かっているだけでも、不安を減らすことにつながりますからね!

他人との食事で吐き気が起こるのはどうして?

 人との食事が苦手な人は、特にこの緊張から来る「吐き気」が気になる方が多いでしょう。「みんなが楽しそうに食事をしている時に、吐き気に見舞われるなんて、自分の体はどこかおかしいのでは・・・」と自分を責めてしまう事もあったかもしれません。

 ですが極度の緊張に襲われた時に、吐き気が起こってしまうのは「誰でも」です。これは特異な体質だから、という訳では無く、ある人間の生理学的な反応が原因だからです。これは「闘争・逃走反応」 と呼ばれるものです。

 これは吐き気だけに留まりません。震え、喉のしまり、胃のキリキリとした痛みなど他人との食事で起きる不快な症状は、全てこの生理現象が原因なのです。

他人との食事で吐き気が起こるのは「闘争・逃走反応」が起きるから

 「闘争・逃走反応」は私達の体に元来備わっている、人間が危機に瀕した時に発動する防御メカニズムです。

 私達生物は何か自分の身に脅威が迫った時、その脅威を排除するために闘うか、それとも脅威から逃げ出すかの選択をしなければなりません。そして闘うにせよ逃げるにせよ、身体はそれに備える必要があります。脅威が迫ると「闘争・逃走反応」が起こります。闘う・逃げるといった⾏動が素早くできるように、心拍数を上げて筋⾁に⾎流を巡らせます。

 緊張するとドキドキして、冷や汗かきますよね︖これは脳が脅威に対して体を闘争・逃走モードにしているからなのです。よく「火事場の⾺⿅⼒」なんて言ったりしますけど、あれは本当に「闘争・逃走反応」によって普段よりも⼒が出るようになっているのです。

 身に脅威が迫った時は「闘争・逃走反応」は役⽴つものです。しかし闘う・逃げることに体のエネルギーを集中できるよう、他の不要不急の機能は全て停止してしまうのです。特に「食べる」という行為は身に脅威が迫った時に最も不要な行為なので、食べることに関わる機能は全部停止してしまいます。唾液はでなくなり、喉はしまり、胃はうまく広がらず少し痙攣した状態になってしまいます。これがやがて吐き気につながるのです。

 緊張して食べられなくなるのは私だけ︖と考えていた方もいるかもしれません。しかし緊張して「闘争・逃走反応」が起きている時に食べられないのは当たり前です。体が食べ物を受け入れる状態でないのですから。気持ちの問題ではなく、物理的に食べることが難しくなっているのです。

 そして私達にとっての脅威とはは他人との食事や人混みや電車など、苦手な場面なのです。こういう場面に対峙すると、「他人との食事は緊張するな」「食べられなかったらどうしよう」「気持ち悪くなったらどうしよう」という不安が生まれます。その不安に注意が向き続けると、やがて不安が大きくなり恐怖に変わります。すると脳が「身に脅威が迫っている!」と判断して、「闘争・逃走反応」が起きてしまうのですね。

他人との食事で「闘争・逃走反応」が起きてしまったら?

 「闘争・逃走反応」が起きると、吐き気をはじめとする様々な不快な症状が出ます。逆に自分をリラックスさせて、不安を小さくできれば「闘争・逃走反応」を防ぐこともできます。

  しかしとっさに「闘争・逃走反応」が起きてしまうこともあります。そんな時はどうすれば良いのでしょうか?それは・・・

  • 「闘争・逃走反応」に抵抗しない練習をする

 「闘争・逃走反応」が起きたら、自分の意思の力でコントロールすることはできません。これは当然ですよね!身に脅威が迫っているのに、不快だからといって意思の力で反応を止められてしまっては、身を守ることが出来なくなります。ですから「不安になってはダメ!症状が出てはダメ!」と思うほどに不安に注意が向くため、より症状が強くなってしまいます。

 「闘争・逃走反応」に対する最善策は「抵抗しないこと」です。心理実験でもこの反応を悪いものとみなさず、受け入れると影響を少なくできることが分かっています。「闘争・逃走反応」がおきたらまず「あ、今自分の中で闘争・逃走反応が起きているんだな~、これは自己防衛のための機能だから止められないな~、いまここで私はこの感情を受け入れます」と心のなかで何度もつぶやいてみましょう。自分の状況を一度客観的に実況すると、不安から注意がそれて落ち着ける効果があります。

 さらに「闘争・逃走反応」に伴う何らかの不快な症状がありますよね。喉のつかえや胃のムカムカ。これらの症状が一番強く出ている部分に意識を置きます。そしてその症状がどのように変わっていくかをひたすら「観察」します。「不安になってはダメ!症状が出てはダメ!」と思うかわりに「あ、今胃の辺りがすごくムカムカするな~、ムカムカってどんな感じかな?じっくり感じてみよう。この感じはどう変わっていくかな?強まっているかな?弱まっているから?一番ムカムカするのはどのポイントかな?ムカムカをイメージに起こすとどんな形になるかな?」 こんな感じにひたすら観察します。

 そして一番症状が強い所に息が入っていき、そこからまた息が出ていくイメージで呼吸するのも、症状を観察する助けになります。こうして自分の症状に対して解釈を加えずに観察することで、不安が大きくなるのを防ぎ、「闘争・逃走反応」もやがて治まっていくのです。この心理テクニックは「拡張」と呼ばれています。

いざとなったら「拡張」してみよう!

 いきなり拡張を実践するのは少し難しいので、日々の中で練習してみましょう。何か嫌な気分になった時や、不安がうかんできて、「プチ闘争・逃走反応」が起きたら「拡張」を練習してみましょう。そしてどのように反応が治まっていくか観察してみましょう。

 もし症状が出てしまったらこの「拡張」を練習する!と決めておくと、不安の軽減につながります。症状が出ることだけを考えると不安になりますが、そのあとどうするか?を決めておくだけも、不安を減らすことにつながります。

 今回は他人との食事で吐き気が起こる原因と、それを軽減するテクニックを紹介しました。とにかく意思の力、つまり気合や根性で「闘争・逃走反応」を抑え込むことはできない、ということだけでも覚えておきましょう。いつだって症状を抑えられるのは意思の力で無く、心理テクニックなのですね!それでは最後までお読みいただきありがとうございました。

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