おうちで・ひとりで治す会食恐怖症・嘔吐恐怖症

 こんにちは!記事をご覧いただきありがとうございます。

 さて、今回の配信からいよいよ会食恐怖症・嘔吐恐怖症克服LINEの「新章」に入っていきます。

 これまであなたには、会食恐怖症・嘔吐恐怖症を克服するための基本的な前提や方法についてお伝えしてきました。これまでのコンテンツで「克服に向けて前向きになれた」「克服への道筋が見えてきた」などの感想をたくさん頂きました。このような気持ちが少しでも芽生えていれば、それはとても大きな進歩だと思います。是非その感覚を大切にして頂きたいと思います。

 今後もさらに有用なコンテンツを配信していきますので、お楽しみに!

 そして今回わざわざ新章と名付けているのは、もちろんこれまでのコンテンツとは少し毛色が違うからです。

 今回からの新章にタイトルをつけるとするならば・・・

 「おうちで・ひとりで治す会食恐怖症・嘔吐恐怖症」 です!

 これまでのコンテンツで会食に挑戦する事や、その行動の評価を正しく行う事の大切さをお伝えしてきましたから、こちらのタイトルには少し違和感があると思います。

 しかしそれだけはありません。会食に行かなくてもおうちで・ひとりで会食恐怖症・嘔吐恐怖症を克服していく事は可能なのです。そして今後はこの視点がますます重要になってきます。

 今回の配信から、おうちで・ひとり会食恐怖症・嘔吐恐怖症を克服する方法についてお伝えしていきます!これまで病院での治療や認知行動療法だけに取り組まれていた方には全く新しい視点であり、あなたの克服までの道のりを一気に短縮するでしょう。

減少した認知行動療法の機会

 これまでは認知行動療法という実際に自分が苦手とする場面に挑戦する治療法をベースにお伝えしてきました。もちろん病院でも抗不安薬等が処方される事を除けば認知行動療法が中心となります。

 会食恐怖症の人は会食にたくさん挑戦していく必要がある、嘔吐恐怖症の人は気持ち悪くなりそうな場面にたくさん挑戦していく必要がある。もちろんこれは完全に正しいですし、克服における最重要要素である事に変わりはありません。

 ですが克服に必要な要素はこれだけではありません。このコロナを経験した後の世界にあって、認知行動療法以外の克服方法がますます重要になっています。 世の中全体として認知行動療法が取り組みにくい状況にあるからです。

 例えば会食恐怖症の人は、たくさん会食に挑戦できる機会があるほど克服に近づき易いでしょう。ですが現在の状況はどうでしょうか?みんなで会食しようという文化自体が縮小傾向にあります。

 私自身この影響を大きく受けました。以前は定期的な飲み会がありました。飲み会といえば、一人分の食べる量も決まっておらず、お酒も入るので比較的リラックスして会食が楽しめると挙げる方の多いシチュエーションです。

 しかしこのコロナ禍のあおりを受けて、飲み会は完全にゼロになりました。そして比較的コロナが落ち着いている時期でも、飲み会をやろうという話は全く挙がりません。コロナ禍を経験して、それぞれが家で過ごす楽しみを見出した結果、わざわざ飲み会をやる気が減ってしまったようです。

 飲み会に関わらず、他の会食も同様です。みんなでふらりとご飯に行く機会も減りましたし、誘いにくくなりました。会食は自粛するよう社員に求めている企業も多くなりました。以前と比べれば会食に挑戦できる機会は減っているのです。

 もちろん会食文化そのものが無くなる訳ではありませんが、以前のような状況に戻るにはもう少し時間がかかるかもしれません。私自身もコロナ禍以降は特に認知行動療法以外の克服方法の普及に力を入れています。

今こそ励みたい「レジリエンスづくり」

 これは他の媒体でも発信している事ですが、恐怖症の克服にはまずしっかりとした心の土台が必要です。心の土台があって認知行動療法がはじめて効果を発揮できるのです。例えば以下のような心の状態を指します。

  • 会食恐怖症・嘔吐恐怖症の自分を受け入れる・好きになる、自分に価値があると思える。
  • 病気について悩みすぎない。毎日を不安少なく充実して過ごせている。
  • 自分に対して自己批判をしない。自分を励ませる。

 とにかくたくさん会食に挑戦することばかりに目が向きますが、実はそれ以上に心の土台が重要なのです。こうした心の土台が無いと、せっかく認知行動療法に取り組んでも、正しい自己評価ができずに挫折してしまう原因にもなります。

 私が認知行動療法後の自己評価を正しく行うように発信しているのはこの為です。正しい自己評価で、このような心の土台(心理学の用語ではレジリエンスとも言います。逆境を乗り越える力、喪失から立ち直る力、心の粘り強さを意味します)を一緒に作っていく必要があるからです。

 逆に言えば、レジリエンスがあれば認知行動療法はそれほど必要ないとさえ感じています。 これほど充実したレジリエンスで認知行動療法に取り組めば、数回の練習でも大きな効果が期待できるでしょう。

 このようなレジリエンスづくりとは、まさに会食に行かないで会食恐怖症・嘔吐恐怖症を克服する方法と言っても過言ではないのです。

 そして幸いも、レジリエンスづくりはいつでも・どこでも・ひとりで励む事ができるのです。例えおうちにひとりだとしても、恐怖症を克服するための克服行動が出来るという事なのです。

 これはすごいですよね!かつての私は「会食恐怖症は会食に行かないと治らない!そこで失敗したらもう治らない!」とばかり考え会食練習には相当のプレッシャーがかかっていました。(もちろんそのような状態で臨んでもなかなかうまくいきませんでした。。)

 ではその超重要な方法とは何でしょうか・・・?

 先に結論を言ってしまえば、「瞑想」です。

 本記事ではレジリエンスづくりに超重要な瞑想についてお伝えしていきます!

会食恐怖症・嘔吐恐怖症への突破口 ~瞑想~

 皆様のご支援もありまして、私はこれまでのべ500人以上の方にカウンセリングを行うことができました。たくさん改善の報告や感謝の言葉も頂くことができました。

 たくさんの方々にカウンセリングを行う中で会食恐怖症・嘔吐恐怖症の克服のポイントもより明確に分かってきました。症状や発症の経緯など人によって違いますが、実は克服を難しくする共通の原因があるのです。

 そして、瞑想はその共通の原因への特効薬となりました。

 いつでも・どこでも・ひとりで会食恐怖症・嘔吐恐怖症の根本原因に瞑想はアプローチできます。

 それでは瞑想が会食恐怖症・嘔吐恐怖症にとって非常に効果的な理由をさらに詳しく解説していきます。こちらをご覧頂くだけでも、会食恐怖症・嘔吐恐怖症の根本原因とその対処法がよくお分かり頂けると思います。

 克服を難しくする原因

 私は毎日カウンセリングを行っていますが、実に様々な方が相談に来られます。会食恐怖症・嘔吐恐怖症とひとくくりにしても、その症状・発症の原因・何に不安を感じるか?などは人によって異なります。

 ですが!これまでのカウンセリング実績で、どなたにも共通する克服を難しくしている原因というのが見えてきました。会食に行ったり電車に乗ったりなど実践的な認知行動療法の中に原因があるのではなく、実は普段の病気に対する捉え方の中に原因があるのです。それが・・・

  • 常に病気のことが不安
  • 病気の自分を責める

 この2点です。今思えば恐怖症に悩まされていた当時の自分も完全にこれにハマっていました。嘔吐恐怖症がひどい時には、朝昼晩と3度の食事がとにかく不安で、大学の講義にも全然集中できませんでした。またそんな自分をとにかく責めることで何とか解決の糸口を見つけ出そうとしていました。実は完全に間違ったやり方だったのですが・・・。

 それではこの2つの原因について解説していきますね!

常に病気のことが不安

 人生には不安がつきものです。しかし会食恐怖症・嘔吐恐怖症の場合は特に日常的・慢性的に大きな不安に悩まされている方が多いです。「次の会食大丈夫かな・・・?」「これって治るのかな・・・?」「将来不安だな・・・」こういった不安で常に頭の中の一部が埋め尽くされるような状態になっています。さらに会食恐怖症・嘔吐恐怖症はあまり有名な病気ではなく、情報も少ない事から「不安なのは自分だけ」「不安を感じてはいけない!」というさらなる不安につながっていきます。

 脳には「考えたくない!考えてはいけない!」と意識したことが、より強く記憶に残る性質があります。ある有名な心理学の実験なのですが、「今から絶対に白くまについて考えてはいけません」と言われたとします。・・・どうでしょうか?頭に白くまのイメージが出てきましたよね?不安を抑圧しようとするほどに、より不安になるのが脳の性質なのです。

 そして日常的・慢性的な不安になると「楽しいことをそのまま楽しめない」「なんでも病気があること前提の思考になる」といった症状が出るようになります。もちろん人間ですから落ち込むこともあります。ですがこの状態が長期化してくると、常にエネルギー不足に陥ってしまいます。何かにチャレンジしたいんだけど、「どうせ病気があるからダメだ」と行動力が失われてしまいます。これでは克服に向けて頑張り続けるのは難しくなるでしょう。

 さらにこの状態が長期化してくると、より不安を大きくする原因にもなります。私たちはしばしば「病気のことについて悩み続ければ、いつか克服方法が出てくるのでは?」と考えます。そして色々悩みますが・・・これは克服にはつながりません。なぜなら脳には「ポジティブな要素を考えても、それを覆す不安要素も必ず考える」という性質があるからです。

 これは実に自然なことですよね?何か良いアイデアを思いついても、そこに潜むリスクを予測できなければ人間はとっくに滅びているでしょうから。つまり考えるほどに、いくつかポジティブな要素も見つかるでしょうが、それ以上の不安もセットで出てくるわけです。病気のことについて悩み続けるのはメリットより、デメリットの方が大きいと言えますね。

 克服について自分で悩み続けても不安が大きくなります。ですから悩んで不安になる時間はできるだけ少なくするというのが克服のポイントです。

病気の自分を責める

 不安が長期化すると、エネルギーが失われ、より不安感が増すことを述べました。もちろん克服の過程でそういう時期もあります。こんな時期こそ不安な自分を認めて励ましてあげないといけませんが、多くの場合「不安な自分はダメだ!」と自己批判につながります。それが自己肯定感の低さや、孤立感にもつながることが分かりました。

  • 「自分には価値が無い」
  • 「誰も自分を理解してくれない」
  • 「いつまでも病気が良くならない自分が情けない」
  • 「毎日病気のことばかり悩みイライラしている」

 病気の症状そのものとは別に、こうした声もたくさん寄せられました。病気は誰しも経験するものです。しかし会食恐怖症・嘔吐恐怖症の場合、発症の原因や良くならない原因も全て自分が悪いと、自己批判につながる傾向があります。

 こうした自己批判は病気を良くするばかりか、エネルギーを失わせて、より不安を生むだけです。病気に加えて病気がある自分への批判がさらに克服さらに難しくさせるのです。心理学者は以下のような公式になぞらえることもあります。

苦痛 = 病気 x 自己批判

 人生に病気や困難はつきものですが、それをきっかけに不安や自己批判を自分で増やしてしまうと、より苦痛が増えてしまうということですね。

 また「気分一致効果」という心理学用語がありますが、「気分が良い時は全てうまくいってるように感じるが、気分が良くない時は全てうまくいってないと感じる」心理効果を意味します。

 これと同じく自分も一度受け入れた状態でこそ、現状を正しく評価することができます。普段から自己批判を繰り返し、自分を認められないと、自分の行いは全て失敗のように感じます。これでは克服に向けて頑張り続けるのは難しくなるでしょう。

 ここまで不安や自己批判が長期化すると、克服に向けてのエネルギーが奪われてしまい、克服が難しくなることをお伝えしました。こうしたエネルギーが低い状態では無理して会食に行ったり、電車に乗ったりなどの病気を良くする為の行動を起こしても症状が出ることが多くなります。症状が出ることは克服過程で必ずあるので、それ自体は問題ではありませんが、エネルギーが低い状態では落ち込んでさらにエネルギーが奪われることになります。

 ですが!不安になったり自己批判をしている自分を客観視して認めることができれば、親しい友人の頑張りを応援するかのように、日々の「できた事」に注目できます。できた事に注目できると、もっとできるようになりたい!という気持ちがわくので、どんどん行動的になります。これは病気の克服に限りません。勉強でも仕事でも趣味でも同じです。

 この自己批判をやめ、自分を認めて、励ましながらどんどん行動できるレジリエンスがあると、克服に向けて一気に進んでいくことができます。メンタルの強さとは不安にならない事ではなく、いかに自分を励ませるかなのです。

カギは集中力

 克服を難しくする原因は 常に病気のことが不安 病気の自分を責める にあることを説明しました。ここからはこれらの原因を解決していくポイントをお伝えしていきますね!

 原因が分かっているなら・・・単純にそれをしないようにすればいい!と思いますよね。「常に病気のことが不安」なら、もう病気のことを考えるのを一切やめればいいでしょう。「病気の自分を責める」ならもう自己批判的な言葉を自分にかけるのを一切やめればいいでしょう。

・・・でもこれは絶対にできません。人間の脳は気に入らない感情だけ捨てられるような仕組みになっていません。これまた当然のことですよね?身に危険が迫った時に感じる恐怖の感情が不快だからといって、「怖い事を考えるのやめよう!」となり、それが簡単にできてしまったら危険を察知することが出来なくなります。

 「常に病気のことが不安」「病気の自分を責める」どちらも脳にとっては生存に絶対必要な感情なので、私たちの意思で消すことはできないのです。白くまの実験で分かったように、消したいと思うほど強く残るのです。ではどうすれば良いのでしょうか?

そのカギは・・・・・ 「集中力」です。

「えっ?」と思われる方もたくさんいらっしゃいます。ここから説明していきますね。

マインドレスとマインドフルネス

 「常に病気のことが不安」「病気の自分を責める」こういう状態に陥っている時、私たちは「マインドレス」になっていると言います。マインドレスとは今起きている現実そのものではなく、過去や未来や自己に対するネガティブ感情で頭が埋め尽くされている状態を指します。(本来のマインドレスの意味合いとは多少異なりますが、分かりやすさの為、本記事ではこういう状態としています。)

 「常に病気のことが不安」とはつまり、発症の原因となった出来事や辛い過去の経験、また病気で不安な未来の事について考えているわけです。「病気の自分を責める」とはつまり、自分の主観のみで作り上げた最低なセルフイメージに対して「こんな自分ではダメだ!」「自分はどうしようもないヤツだ!」と考えているわけです。

 マインドレスのままでいると、どんどん現実とは異なるネガティブ感情に支配され、それが絶対的な変えることのできない現実である!という思い込みが強化されていきます。ネガティブ感情に振り回されて、全く現実を正しく捉えることができない状態になるのです。

 逆に現実そのものを正しく捉えている状態を「マインドフルネス」と言います。マインドフルネスでは意識を今まさに起きている現実に向けます。そして現実をただひたすらに淡々と観察している状態です。そこには今の現実が良い・悪いという判断も存在しません。

 皆さんも少なからず日常でマインドフルネスを経験しているはずです。面白かった映画を見ている最中、あっという間に時間が経ったという経験はありませんか?これは映画に没頭し、映画を見ているという現実にマインドフルネスになっている状態です。このように現実に没頭している時は、ネガティブ感情で頭が埋め尽くされることを防げるのです!

マインドフルネスでマインドレスに気づく

 マインドフルネスの効果はただ楽しいことに没頭できるだけではありません。マインドフルネスでいればマインドレスになっている自分に気づく事が可能になります。マインドレスが厄介なのは、自分がマインドレスになっている事に気づくのは難しい為、いつまでもネガティブ感情に振り回されてしまうからです。不安な時や自己批判的になっている時は、自分を見失っているのです。まずはこの事実に気づかないといけません。

 しかし普段からマインドフルネスを意識していると、「常に病気のことが不安」「病気の自分を責める」という今自分がマインドレスになっているという事実を冷静に客観視できます。こうすれば「あ、今自分不安になってるな~。でもこれって生きるために必要な機能だからしょうがないな~。そのままにしておこう」とか「あ、今自分を責めているな~。これって何の意味もないよね~。励ましの言葉にできないかな?」といった感じで、ネガティブ感情に余計な判断を加えて大きくする事なく、受け流すことができるのです。

 ではマインドフルネスになるにはどうすればいいのでしょうか?ここでカギになるのが「集中力」です。マインドフルネスとはひたすらに現実に集中している状態です。楽しいことは集中して全力で楽しむ。不安になっても現実に集中して不安を受け流す。意識を自分の向けたいものに向けることができる力、これが「集中力」です。集中力を鍛えることによって、日常の仕事や楽しい事に没頭できるだけでなく、ネガティブ感情ではなく、現実そのものに意識を向けて、前向きに頑張り続けることが出来るようになるのです。

瞑想で鍛えられる集中力

 では現実に集中する力を鍛えるのはどうすれば良いのでしょうか?それが・・・

 「瞑想」です。

 皆さんも名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?瞑想と言うと、お寺の修行僧が座禅を組みながらやっているアレ?みたいな硬いイメージがあるかもしれません。近年は研究が進み、瞑想にまつわる書籍もたくさん発売されていますので、身近な存在になってきていると思います。

 瞑想は一言でいうと「技術」です。現実に集中する力を鍛える誰でも実践できる技術であり、その効果も徐々に科学的に証明されつつあります。継続して行うことで、マインドフルネスでいる時間が増えて不安を低減する効果があります。他にも普段の集中力が向上したり、感情のコントロールが上手になったり、脳の恐怖を作り出す部位の活動が抑えられたりなど、心理的にポジティブな効果が多く報告されています。また特別な準備や副作用もありませんので、誰でも今日から始めることが出来ます。

 瞑想の基本は「今まさに現実で起こっている事に意識を向けること」です。では起こっている事とは何でしょうか?「呼吸」「体の感覚」「音」「におい」「見えている物」など、普段考え事をしている時には意識しないようなものです。瞑想では敢えてこれらの「今まさに現実で起こっている事」に全ての意識を向けて、それをひたすらに観察します。

 こうした訓練を行うことで、ネガティブ感情を受け流して、現実に引き戻す力が鍛えられます。ネガティブ感情から受ける影響が大きく減り、あなたのレジリエンスもどんどん強化されていきます!

瞑想との出会い

 近年私は恐怖症について、いろいろ研究し実践してきました。その中でも瞑想は(大げさではなく)ダントツに効果があり、これだ!と感じるテクニックとなりました。

 私自身はもともと瞑想に興味があった訳ではありませんでした。その存在自体は知っていましたし、アメリカ企業のエリート達がこぞって実践している!みたいな話も聞いていました。ですがその当時は、「少し頭が冴えたり、発想力が高まったりするもの」という程度にしか考えていなかったのです。

 しかしこの不安多き時代にコロナ禍が重なり、メンタルに不調をきたす人が激増しました。私自身もこの混迷な状況に心身ともに乱れる事が多くなり、生活のバランスがどんどん崩れていきました。そして家にいる時間が長くなる事もきっかけとなり瞑想を始めてみたのです。

 最初のうちは、その効果をあまり実感する事は出来ませんでした。ですが寝る前にやると、少し心が落ち着いて寝つきが良くなる気がしていたので、寝る前の10分程度の簡単な瞑想から始めていきました。そして挫折しないように様々な瞑想を組み合わせて、少しづつ習慣にしていきました。すると次第に効果が表れてきたのです。日々のネガティブ感情から受ける影響が大きく減っている事に気づいたのです。

 これまではネガティブ感情が生まれるたびに、「どうしてこんな嫌な気分なのか」「○○のせいで気分が悪くなった」「どうすれば良い気分になるのか」 と必死にネガティブ感情を消そうと抵抗していました。こうやってネガティブ感情があると一気にそれに飲み込まれてしまうのが人間の性質でしょう。ですが抵抗して気分が良くなる事は一切ありません。むしろネガティブ感情は考えれば考えるほどにより大きくなっていきます。

 ですが瞑想を始めてからは、それが「単なる感情」という客観的な捉え方が出来るようになりました。以前は頭の中では「ネガティブ感情と戦っても勝ち目はない。受け流してそのままにしておくのが最善策」と分かっていましたが、ひとたびネガティブ感情が生まれるとそれをすぐに忘れていました。

 瞑想を始めてからはネガティブ感情が出てきてもすぐに、「ネガティブ感情が生まれるのも消えるのもコントロールできない」「人間だからネガティブ感情があるのは当然」「ネガティブ感情は不快だが、消そうとしなければそれ以上不快にはならない」 すぐにこうした客観的な捉え方に切り替わって、ネガティブ感情に捉われる事なく、目の前の事だけに集中できるようになったのです。

 特に不安との向き合い方がこれまでの人生とは全く変わりました。「不安は消そうとするのではなく、受け入れることが大事」とよく言いますが、これを本当の意味で納得し、実現出来ている実感があります。

瞑想がもたらした大きな変化

 現在はこの瞑想を日々実践しています。想像以上にそのポジティブ効果を実感しています。そしてこの瞑想は

「会食恐怖症・嘔吐恐怖症の突破口」になる

 このような思いで、私の克服プログラムの受講者さんにもお伝えしています。誰でも簡単に瞑想を習慣化できるプログラムを実施したところ、以下のような受講者さんの声がたくさん届きました。

 瞑想をお伝えするようにしてから、受講者さんには大きな変化がありました。不安・心配・自己批判といったネガティブな感情から受ける影響を大きく減らし、どんどん克服に向けて前向きに変わっていきました。たくましいレジリエンスが養われています。

 さらにその効果は会食恐怖症・嘔吐恐怖症に留まらず、その他の人間関係や仕事などの場面にも良い影響をもたらしました。是非今始めて頂きたい人生そのものを良くしていく強力な習慣です。

 この記事では会食恐怖症・嘔吐恐怖症の原因とそれを克服するために役立つ瞑想を紹介しました。この記事を読んで自分もやってみたい!と興味を持って頂けたら幸いです。