おうちで・ひとりで治す会食恐怖症・嘔吐恐怖症

 こんにちわ!記事をご覧いただきありがとうございます。

 今回も引き続き「おうちで・ひとりで治す会食恐怖症・嘔吐恐怖症」をテーマに、超重要な内容をお伝えしていきたいと思います。

 前回の配信では以下をお伝えさせて頂きました。

  • 認知行動療法に取り組める機会は減少している
  • おうちで・ひとりで会食恐怖症・嘔吐恐怖症を克服する方法がある
  • 上記の視点を持つ事が今後ますます重要

 そしてそのひとつの方法として「瞑想」が非常に効果的である事もお伝えしました。

 瞑想によって不安や自己批判などのネガティブ感情から受ける影響を大きく減らし、現状を正しく捉えながら前向きに取り組める姿勢を養うと、克服に向けて一気に加速していきます。

 もちろんこのような心の土台へのアプローチ、レジリエンスの強化という部分から取り組んでいくと、時間もかかります。自分を内面から大きく変えていくわけですからね。

 しかし瞑想をはじめとする自己のレジリエンスを強化する取り組みは単純に会食恐怖症・嘔吐恐怖症の克服だけに役立つわけではありません。どんな時もしっかり安定した心を養う事は、人生のあらゆる大変な場面で生きてきます。

 最初は嘔吐恐怖症を克服したくて瞑想を始めたけれど結果的に、仕事のパフォーマンスが上がった、人間関係が良くなった、自分のやりたい事に集中できるようになった、とおっしゃる相談者さんもいます!

 「おうちで・ひとりで治す会食恐怖症・嘔吐恐怖症」のテーマでお伝えする内容は、人生の質そのものを高めていく方法でもあります。是非このシリーズで、自分を良き方向に変えていくきっかけをつかんで頂きたいと思います。

 そして今回も、瞑想に続いておうちで・ひとりでレジリエンスを強化していく事ができる超重要な内容についてお伝えしていきます!

何となくの自己批判が危ない

 前回の配信で、以下のような心の状態、すなわちレジリエンスを強化していく事が重要である事をお伝えしました。

  • 会食恐怖症・嘔吐恐怖症の自分を受け入れる・好きになる、自分に価値があると思える。
  • 病気について悩みすぎない。毎日を不安少なく充実して過ごせている。
  • 自分に対して自己批判をしない。自分を励ませる。

 今回もこのレジリエンスをさらに強化していくために重要な方法をお伝えしていきます!

 これからお伝えする方法がお役に立つかは、以下のような質問を考えて頂くことで分かります。

  • 自分を好きと思うか・嫌いと思うか
  • 自分には価値があると思うか・ないと思うか
  • 自分は受け入れられていると思うか・拒絶されていると思うか

 これらの質問に、全てポジティブな答えを用意できましたでしょうか?ほとんどの人は胸を張って自分が好き!自分には価値がある!と思う事は難しいと思います。

 ほとんどの人は自分が嫌い!自分には価値が無い!自分は受け入れられない!というネガティブなセルフイメージを持っています。社会の中で生きる私達は常に周りの人と比較してますから、こうしたネガティブ感情を持つのは、ごく普通の事です。

 しかし会食恐怖症・嘔吐恐怖症の人は、そのネガティブ感情がかなり行き過ぎている場合があります。かつての私も自分を好きだなんて口が裂けても言えませんでしたし、本当に自分が大嫌いでした。

  • 「自分には価値が無い」
  • 「誰も自分を理解してくれない」
  • 「いつまでも病気が良くならない自分が情けない」
  • 「毎日病気のことばかり悩みイライラしている」

 こうした自己批判は何も意識しなければ、毎日何回も頭に浮かびます。しかし放置してしまうと会食恐怖症・嘔吐恐怖症の克服を難しくする原因にもなります。

恐怖症の原因は潜在意識

 日々何となく繰り返している自己批判が私達にどういう影響を及ぼすのでしょうか?それを知るために私達の「意識」についてお伝えしていきたいと思います。

 意識とはどういうものでしょうか?「あ~お腹空いたな~」「明日は仕事だ、嫌だな~」「明日の会食不安だな~」「コロナが怖いから家にいよう」私達は生きているだけで、実に沢山の思考を生んで、それを元に行動を決定しています。意識とはすなわち思考、考え、意思、気持ち・・・などのワードに置き換えることができます。

 私達は自分のただ一つの意識に従って行動している、意識は私の意思をそのまま反映したもの、私は意識をコントロールして行動もコントロールしている・・・普通はこう考えていると思います。

 ですが実はこの意識には「潜在意識」と「顕在意識」の 2 種類があります。普段私たちは後者の顕在意識を認知することができます。ここまでお伝えしてきた意識とは全て顕在意識のことなのです。

 それに対し潜在意識は私たちが心の奥底に持っている意識です。言葉にすることができないので、私たちがそういう意識を持っていることに気づくのはなかなか難しいですが、物事を認知する際の源になっている意識です。会食や嘔吐に恐怖に感じるのもこの潜在意識が、「会食や嘔吐は怖いものだ」と意識しているからなのですね。結論を言えば、この潜在意識に会食恐怖症・嘔吐恐怖症の原因があるのです。

 克服とはつまり、この潜在意識を良い方向に変えていく事なのです。

潜在意識が意思・行動を決める

 この潜在意識と顕在意識ですが、その⼒には大きな差があります。なんと潜在意識は顕在意識の何万倍も⼒があると言われています。つま
り我々の本当の意思や⾏動を決めるのは潜在意識の方なのですね。この話を聞いても、まだ自分の中に潜在意識なるものが存在することが実感できないですよね?それでは一つ実験をしてみましょう。

 今から全力で「りんご」を怖がってみましょう。「りんごは恐ろしい!」「りんごは危険だ!」「もうりんごの事は考えたくない!」こうした言葉を心の中で唱えてみましょう。さていかがでしょうか?少しでもりんごが怖くなってきたでしょうか?

 ならないですよね!

 これはいくら私たちの顕在意識、つまり意識できる思考の部分でりんごを怖がろうとしても、りんごが怖くなることはありません。なぜなら潜在意識が「いや、りんごは美味しくて栄養満点だよ。何も怖いもんか」を意識しているからなのですね。私達はりんごで怖い思いを今までした経験が無いため、顕在意識はもちろん、潜在意識の部分にまで「りんごは怖くない」という意識が浸透しているのです。

 ですからいくら顕在意識の部分でりんごを怖がろうとしても絶対に怖くなれないわけです。潜在意識が意識と行動を決めているので、潜在意識が変わらない限りは、りんごが怖くなることはありません。

 では今度は逆バージョンを行ってみましょう。今から全力で会食恐怖症・嘔吐恐怖症を怖がらないようにしてみましょう。「私は会食恐怖症じゃないよ」「嘔吐恐怖症は完全になおったよ」「もう今後恐怖症について考えることはないよ」「恐怖症とは無縁の完璧な人生を送るよ」こうした言葉を心の中で唱えてみましょう。さていかがでしょうか?少しでも安心できましたか?

 できないですよね!

 ポジティブな言葉を唱えても、心の底では大きな反発があったのではないでしょうか?「こんな言葉を唱えて治るなら苦労しないよ・・・」という反発がありますよね?これは潜在意識が「会食や嘔吐は怖いものだ」と意識しているからなのですね。潜在意識と真逆の言葉を顕在意識で唱えても、すぐに潜在意識は反発します。「いやいや~、何言ってるんだよ。会食や嘔吐は怖いものだよ!以前それで怖い思いをしたじゃないか。会食や嘔吐は怖いから回避しないとダメなんだよ!」・・・とこんな感じですね。

潜在意識を変えるには?

 会食恐怖症・嘔吐恐怖症の原因は潜在意識にある事をお伝えしました。

 つまり私達は潜在意識を良い方向に変えていきたいわけです。そして実際に会食に挑戦するといった認知行動療法は一番速くこの潜在意識を書き換える方法なのです。 ですから認知行動療法はどの病院にかかっても、まず最初に教えられます。

 しかし実はもう一つ、潜在意識を変える方法があります。そしてその方法は盲点でもあり、見逃されがちです。

 それは 自分にかけている言葉 です。

 自分から自分にかける言葉は潜在意識ではなく、顕在意識の部分ですから私達もある程度コントロールできます。しかし顕在意識は潜在意識よりもずっと力が弱いのでした。そんな顕在意識が生む言葉が、潜在意識を変えていくのでしょうか?

 確かに顕在意識の力は弱いですが、顕在意識は一日に何千・何万という言葉を生みます。それが365日意識がある間中繰り返されているのです。いくら力が弱くても、これほど繰り返すと潜在意識にまで力が及ぶようになっていきます。私達が何となくしている自己批判も繰り返すほどに、どんどん潜在意識が悪い方向に変わってしまいます。

  • 「自分には価値が無い」
  • 「誰も自分を理解してくれない」
  • 「病気はもう治らない」

 このような間違った思い込みが潜在意識の部分にまで浸透します。人間の考え方・ふるまいは全て潜在意識が決めていますから、このような思い込みに支配されると、このような思い込みに沿った考え方や行動しか出来なくなります。自分が楽しく会食しているイメージを描くことも、病気を克服した後のビジョンを描くことも全て難しくなるのです。そうなると克服はますます遠のきます。

自分を取り戻すセルフコンパッション

 何となくの自己批判も長い目で見れば、ネガティブな影響を及ぼします。そして潜在意識がネガティブに染まるほど、それを書き換えるのも難しくなります。

 一度ネガティブが強化されるループにハマると、意識的に考え方を変化させていく努力をしなければループから抜け出すことはできません。ネガティブが強化されていく段階では、もはやネガティブに考えた方が安心感が得られる状態になっているからです。

 このループから抜け出して、潜在意識をどんどん良く変えていく超重要な方法・・・

 それが「セルフコンパッション」です!

 こちらも瞑想と同じく、今日から誰でも実践することの出来る技術です。もう少し簡単にいえば「自分を一番の自分の味方にする方法」ともいえると思います。

 とはいえ今この瞬間から自分に優しくしよう!自己批判をやめよう!と思っても、これまでの言葉でネガティブに染まった潜在意識からは「自分に優しくするなんて気持ち悪い」「甘えだ」「ネガティブな言葉の方が心地よい」などの反発が起こります。自分に優しくするにもセルフコンパッションという適切な方法を学ぶ必要があります。

 セルフコンパッションはこれまでとは全く異なる新しい自分への接し方です。ついつい自己批判をしがちな場面で、敢えて他者に向けるような慈悲のまなざしを自分に向けて優しくしていきます。あなたがその時に必要としている最適な言葉を選択し、自分に優しく言葉をかけていく訓練を行います。

 自分に優しくするなんて恥ずかしい、甘やかしになるのでは?と言った抵抗ももちろんあるでしょう。

 しかしここ10年余りの研究で、セルフコンパッションのできる人、自分に優しくできる人ほど感情の安定と満足が高い事が分かっています。恐怖やネガティブ感情で孤立するといった状況に陥る事もなくなります。

 まさに会食恐怖症・嘔吐恐怖症克服の克服に必要な、近年大注目の心理技術なのです。

セルフコンパッションがもたらした変化

 セルフコンパッションには様々な方法がありますが、一番基本となるのは自分を一番大切な人のように扱い、その人に接するような態度で自分にも接するという方法です。

 こうした方法は簡単なようで、実践している人はほとんどいません。昔から他人には優しくするけども、自分には厳しくするという教えが古来から日本にはあります。また自分に優しくするとなると潜在意識の抵抗を感じて、なかなか続きません。

 しかし、たった一つの方法が大きくストレスを減らす事につながります。私自身セルフコンパッションを実践してから、これまで十数年余り続けていた自己批判でストレスを抱える事がなくなりました。

 これまで自分にかけていた言葉を思い返せば、ひどいものばかりです。ですがこんな事さえも自分になら簡単に言えてしまうのが自己批判の恐ろしい所なのです。そしてこのような言葉をかけている方が安心できるという危険信号にも気づいていなかったのです。

  • 「自分には何の価値も無い、生きている意味が無い」
  • 「自分にできる仕事は何もない、社会に出られない」
  • 「昔から根暗だからこうなった、一生このままだ、しょうもない人間だ」

 セルフコンパッションを学んでからこのような言葉を自分にかけるどころか、思いつきさえしなくなりました。今思い返すと、どうしてこんな事が言えてしまっていたのかも不思議です。

 会食恐怖症・嘔吐恐怖症という病気に対するセルフイメージもどんどん良くなりました。病気は一人で抱えるとどんどんコンプレックスが深まりますが、セルフコンパッションによって会食恐怖症・嘔吐恐怖症だって誰にでも起こる問題、他の病気を抱えている人と全く変わらない、克服に向けて前向きな自分は素晴らしい、といった全く違う見方が出来るようになりました。

 さらにセルフコンパッションは瞑想と併せて実践する事で、さらに効果が高まる事も分かっています。

 こちらも私も克服プログラムで受講者さんにお伝えしています。すると以下のような受講者さんの声がたくさん届きました。

 受講者さんには大きな変化がありました。無意識に自己批判をして潜在意識を悪い方向に変えてしまう負のループから脱し、自分を励まし癒す事が出来ていますね。たくましいレジリエンスが養われています。

 セルフコンパッションも瞑想と併せて今始めて頂きたい会食恐怖症・嘔吐恐怖症への特効薬です。そして人生そのものを良くしていく強力な習慣です。

 この記事では会食恐怖症・嘔吐恐怖症の原因とそれを克服するために役立つセルフコンパッションを紹介しました。この記事を読んで自分もやってみたい!と興味を持って頂けたら幸いです。