会食恐怖症・嘔吐恐怖症の基本

 会食恐怖症・嘔吐恐怖症克服メールマガジン(会マグ)を受講頂き、ありがとうございます。これから約1か月弱で会食恐怖症・嘔吐恐怖症を克服するための情報を皆様にお届けしていきたいと思います。短い期間ではありますが、克服のエッセンスを詰め込んでいますので、ぜひじっくりと理解していってくださいね!感想・質問も随時受け付けておりますので、メール講座LINEでメッセージを送ってくださいね!自分の感想を書く、つまりアウトプットをすることでより理解を深めることができます。

 さて第一回の講義は「会食恐怖症・嘔吐恐怖症の基本」です。私達が克服したいと思っているこの病気はどういうものなのか?戦いに勝つにはまず敵を知ることですね!(とはいえ恐怖症はいつでも敵な訳ではありません。克服過程で大きく人間を成長させてくれるものでもありますが・・・)知ることは恐怖が減る一番の方法です。

「誰かと一緒だと食事ができない」

 このメール講座を受講しているあなたは現在このような症状で悩まれているのではないでしょうか︖この症状は「会食恐怖症」と呼ばれ、精神医療では「社交不安症」のひとつとされています。

「社交不安症」とは「社交機会に対して健全でない強い不安を覚え、日常生活に支障をきたす精神的な疾患」とされ、会食恐怖症以外にもスピーチ恐怖、
電話恐怖、赤面恐怖、腹鳴恐怖、書痙(しょけい)など、様々なものがあります。簡単に言えば「誰かに⾒られていると、ある特定の⾏動がうまくできなくなってしまう病気」ということです。通常このような状態が半年近く続くと、病院では「社交不安症」という診断になるようです。もしくは「不安障害」といった言葉も使われます。

 症状は吐き気、めまい、胃痛、嚥下(食べ物が呑み込めない)、緘黙(黙り込んでしまう)、⼿の震え、嘔吐など様々です。特に嘔吐への恐怖が強い場合「嘔吐恐怖症」と呼んだりもします。これは次にお話しますね。会食の度にこうした症状に⾒舞われるので、次第に会食を避けるようになります。

 「吐くのが怖くて会食・外出ができない」「常に気持ち悪くならないかの不安がある」「⼈が吐いているのや吐しゃ物を⾒るのが怖くてたまらない」

 このような症状は「嘔吐恐怖症」と呼ばれ、嘔吐に対する恐怖で日常生活に支障が出る病気です。嘔吐に対する恐怖が気持ち悪さを強め、日常の中で慢性的な気持ち悪さが起こります。会食の場だけこの「吐いたらどうしよう・・・」という気持ちが出る場合もありますが、その他の場面でも同じ気持ちが起こり、電⾞に乗り⾟くなったり、普段の食事がとり⾟くなったり、会食以外の場面でも支障をきたすことがあります。

 嘔吐恐怖症の方は嘔吐に対する恐怖を抱えていますが、恐怖となる対象も異なります。「吐いているのを人に⾒られるのが怖い」「吐くという⾏為そのものが(苦しみ・死を連想させて)怖い」「他人が吐いている姿や吐しゃ物を⾒るのが怖い」等、恐怖の対象は様々です。

会食恐怖症・嘔吐恐怖症の原因

 一口に会食恐怖症・嘔吐恐怖症と言っても、その症状には実に様々なものがあることが分かります。これは当事者が「何に一番不安を感じているか?」に依存します。

 例えば以前、会食の場で手が震えていることを変に思われてしまった!という方は震えに一番不安を感じるでしょう。会食の場では震えに対する不安が、より震えへの意識を強めて、実際に震えてしまう・・・ということになります。他の症状も同じですね。

 例えば以前電車の中で気持ち悪くなってしまった!という方は移動中に気持ち悪くなることに不安を感じるでしょう。すると震えと同じように不安で実際に気持ち悪いように感じる・・・ということになります。つまりどういう症状が本人にとって一番怖かった、辛かった経験に関与しているか?に依存している訳です。

 こんなにたくさん症状があるなんて!今の症状で悩んでいるのは自分だけかも・・・。と心配になってしまいますよね!実際カウンセリングでもそういう相談をされる方は非常に多いです。

 ですが!結論から申し上げますと「症状は違っても、その原因は同じ」ということなのですね。

 どの症状も「○○な症状が出たらどうしよう・・・」という不安が大きくなり、より症状に対する意識を強めて症状が出ているのです。逆に「症状は出ないよ!」「症状が出ても大丈夫だよ!」という気持ちでいれば、症状は出ません。

 じゃあもう症状について考えないようにすればいいんだ!不安にならなければいいんだ!・・・ということになりますが、これは実際にはできません。人間は考えたくないことほど、より強く考えてしまう性質があるからなのです。これは当然ですよね!自分にとって不安が嫌だからといって、不安を簡単に捨ててしまう事が出来てしまったら、人間はリスクから身を守ることが出来なくなってしまいます。

 症状について考えないようにする、不安にならないようにする、その結果症状が出なくなる。ここに到達するのに然るべきアプローチをとらなければなりません。この会マグを通して、そのアプローチをお伝えしていきたいと思います!

会食恐怖症・嘔吐恐怖症は珍しいこと?

 皆様も自分の症状を自覚されたときは、「こんな症状に悩んでいるのは自分だけだ!」と孤立感を深めてしまったのではないでしょうか?確かにうつ病等、他の精神疾患に比べると会食恐怖症・嘔吐恐怖症はまだまだマイナーな存在かもしれません。

 しかし私自身カウンセリングを通して、既に延べ300人以上の相談に対応してきました。私以外にもカウンセラーや病院はたくさんありますから、相当数の方が会食恐怖症・嘔吐恐怖症に悩まれていることを実感しています。

 もう少し不安障害についての状況を見ておきましょう。アメリカの統計ではありますが、米国立精神衛生研究所では年間を通して5人に1人の成人が不安障害に悩んでいたという統計を発表しています。10代の若者になればこの数字はさらに上がり25%が病的な不安障害を抱えています。成人期全体を通してみるとこの数字はさらに高くなり3人に1人が不安障害を経験します。こちらの数字はあくまでも不安障害で病院にかかった人の統計ですから、それ以外にも日常的な不安・ストレスを感じている人も含めると、さらに多くの方になるでしょう。

 このことから程度の差はあれど、今の時代に何かしらの不安障害を抱えずに生きることがむしろ珍しいと言えます。会食恐怖症・嘔吐恐怖症もその不安障害の一つですから、実は会食恐怖症・嘔吐恐怖症も多くの方が悩んでいるのです。

 悩みを和らげる最初のステップは、「悩んでいるのは自分だけではない、と知ること」ですね!同じ悩みを抱えている方はたくさんいらっしゃるのです。まずはこの事実を知って頂きたいのです。

おわりに

 今回の講義では会食恐怖症・嘔吐恐怖症の基本についてお伝えしました。この一通のメールでも会食恐怖症・嘔吐恐怖症に対する見方が変わったのではないでしょうか?今後の会マグを通して、さらに恐怖症に対する理解を深めて頂ければと思います。次回は「会食恐怖症・嘔吐恐怖症の原因」について講義します。

 感想等も是非LINEチャットに書き込んでみてくださいね。自分の感想を書く、つまりアウトプットをすることでより理解を深めることができます。理解が深まると行動にもつながりやすくなりますよ!他の方の感想や取り組みもシェアしながら進めていきたいと思います!それでは最後までお読みいただきありがとうございました。

 さらに詳しく会食恐怖症・嘔吐恐怖症の克服について知りたい方はこちら!