ページをご覧いただきありがとうございます。OPENERS特別号です。早くも最初の一か月が経ちましたが、皆様様々な学びを得ていらっしゃるようで大変嬉しく思います!今回も寄せられた皆様の取り組みや質問をシェアしていきたいと思います!

皆様の取り組み

 それでは皆様の取り組みを見ていきましょう。

現在実践しているのは、「自分にかける言葉を変える」です。今までは気持ち悪くなる度に「吐いたらダメ」「なんでこんな症状が出るの」とネガティブな反応ばかりでしたが、最近は「気持ち悪くなっても大丈夫」「自分だけじゃない」と自分を客観的に見て少し前向きな言葉を自分にかけてあげられるようになりました。(Cさん)

 「自分にかける言葉を変える」というのは小さなようで、後々大きな差を生む取り組みです。人間は一日に何万回もの自己対話をしていると言われています。そうやって自分に毎日かけている言葉で自己というのは形成されていきます。最初は言葉だけでも、だんだん潜在意識そのものが言葉通りに変わってくるのですね。

 ちなみにですが、人の潜在意識は「自分と他人の区別がつかない」とも言われています。自分によい言葉をかけるのも大切ですが、実は他人に対しても同じことが言えます。他人に対してもこうした「許し」の意識を持つ事で、より自分に対しても寛容になっていきますので、ここも意識していきましょう!

 「自分にかける言葉を変える」というのはOPENERSの主要テーマの一つでもあります。今後も深く取り扱っていきますので、どうぞお楽しみに!

『もし嘔吐恐怖症じゃなかったら(体調がよかったら)私は何をしたいだろう』と考えて、これがやりたい!と思ったら、少しでもできそうなときにそれを実践してみようと思うようになりました。(Kさん)

新幹線に乗るのに予め切符を買っておくということが不安になってしまって出来なかったので、今度の帰省では前もって切符を買ってみようと思います。(Fさん)

 こちらも素晴らしい取り組みですね。嘔吐恐怖症の方は常に体調が悪くならないかの不安があると思います。だから自分のやりたい事や予定を立てる事といった積極的な行動は躊躇してしまいますよね。こうした不安を増やす原因として「うまくいかないと後で後悔しないかな、やめとけばよかったと思わないかな」という自分の感情を過小評価してしまう事があります。

 ですがこうして行動を起こすことは「100%正解」であると言えます。もし行動を起こしてうまくいかなかったとしても、それは問題ではありません。たとえ行動がうまくいかなくて、気持ちの面では一時的にネガティブになったとしても、確実に克服に向けて前進はしているからなのです。(何度かお伝えしているように、気持ちの持ち方でなく、行動の積み重ねで改善は進んでいくからです。)

 私達が目指すのは「不安が無く行動が起こせるようになる事」ではありません。「不安があっても行動を起こせるようになる事」そして「うまくいかなくても、行動を起こした自分を認めてあげる」なのです。ついつい私達は行動の結果ばかりに目がいきますが、むしろ大切なのは「行動を起こした後の感情とどう向き合うか」 なのです。簡単に言えば「失敗しないようにする力」ではなくて「失敗と思わないようにする力」を身に着けていく方が大切なのです。

 こうした自分の感情を受け入れて、自分を励ましていく方法もこれからお伝えしていきますね。

今回の質問

 質問もシェアしておきたいと思います。既に瞑想回を受講している方もいらっしゃいますので、瞑想の方法に関する質問が届いています!

感想としては…自分の体の感覚に集中することが難しいです!笑 深く呼吸をすることがまずちょっと難しくて、その中で肺に空気が入ってくる感覚…とかを感じようとする前に、ネガティブ感情が湧き起こってきたりします…

波はあるもの、少しでも良いときを過ごせていたらそれに集中して…と思っても、今後への漠然とした不安に何となく支配されてしまうこともあるみたいです。まだまだ修行が足りないのでしょうか。(Kさん)

 瞑想に取り組まれて、最初は戸惑いもあるかもしれません。自分の体の感覚に集中するというのは、実は難しいのです。というのも嘔吐恐怖症の方は身体感覚よりも、自分の感情に敏感になっている傾向があるからなのですね!

内受容感覚

 こうした自分の身体に対する感覚を「内受容感覚」 といったりもします。この内受容感覚が強い人ほど、メンタルの安定性が高い事が分かっています。例えば皆さんは自分の体に触れないで、自分の脈拍をカウントすることが出来ますか?(自分の脈拍を正確にカウントできるかで、この内受容感覚の強さを計測できるみたいです。)

 この内受容感覚が弱いと、私達の脳は自分の体の状態を正しく理解する事ができません。身体感覚を意識せず、自分の感情ばかり気にしていると脳は混乱してしまうのですね。「う~ん、身体の状態が良くわからないな~、でも今感情がネガティブになっているぞ!これは体で何か良くない事が起きているからに違いない。もっとネガティブ信号を強くしなければ!」みたいに間違った反応をしてしまうのですね。

 嘔吐恐怖症の方が、少しの気持ち悪さに反応して、ネガティブ感情と気持ち悪さを強めてしまう原因の一つがここにあります。本当は大した気持ち悪さではないのに、脳が混乱して、過剰にネガティブ感情になってしまうのですね。

瞑想で高める内受容感覚

 瞑想の呼吸に集中するというのはこの内受容感覚を高めるトレーニングでもあります。自分の感情に反応するのを止めて、自分の身体感覚をしっかり受け止める。こうしたトレーニングによって脳も「身体の状態がしっかり把握できた。全然大したことない気持ち悪さだった。ネガティブ信号を強くしなくてもいいや」という正しい判断が出来るようになるのですね。

 瞑想を続けていけば、こうした内受容感覚が養われ、身体感覚を良く感じられるようになります。瞑想に入る前に以下の腹式呼吸をやってみましょう。これをやる事で、お腹や肺の広がりを感じられるようになるので、その感覚のまま瞑想を行うと、いつもより身体感覚に集中できるでしょう。

1)からだの力を抜いて、リラックス。身体の中の空気を出し切るイメージで、強く息を吐き切りましょう。

2)息を吐き切ったら、ゆっくりと鼻から息を吸い、お腹をへこませます(肛門を締めるようイメージで)。しっかりお腹がへこむ感覚を意識しましょう。

3)息を吸い切ったら、静かにゆっくりと息を吐きます(口からでも鼻からでもよい)。同時に、絞ったお腹と肛門をゆるめてリラックスします。へこませたお腹が膨らみますので、ここもお腹の感覚を意識しましょう。

4)1~3を繰り返して、「身体の力が抜けたな〜」と思うまでやります。(最初10回以上やる必要がありますが、慣れると1回で出来ます)しっかり呼吸を感じられるようになったら、瞑想に入りましょう。

感情も身体感覚と同じように扱う

 もう一つの戸惑いは余計な感情が止まらない!という事でしょう。ここも一つポイントがあるのでお伝えしておきますね!

 一度感情に引っ張られると、なかなか引き戻すのが難しいですよね。ですが感情も呼吸もざっくりとは同じ性質があります。それは「自分でコントロールせずとも勝手に起こる。止める事はできない」という事ですね。

 身体感覚に集中出来ている時は、「息が鼻から入って、肺に入って、お腹がへこんで・・・さあ次はどうなる?」という観察が出来ている状態です。感情も同じように扱う練習をしてみましょう。

 「あ、今○○な感情が浮かんできたな・・・、この感情はどう変わっていくかな?次はどんな感情が浮かぶかな?・・・じっくり様子を観察してみよう」

 このように感情に対しても、身体感覚と同じように扱う練習をしていきましょう。まずは感情が浮かんで来たら、「この感情がどう変化していくか」という観察モードに入ってみましょう。

 今後とも皆様の感想や取り組みをシェアしていきます。是非感想や取り組みをどんどんLINEに書いてみて下さいね。こうして自分でアウトプットしてシェアするのは学びを定着させる上で非常に効果的です。

 今後ともOPENERSをよろしくお願いいたします。それでは最後までお読みいただきありがとうございました。