嘔吐恐怖症の正体

 こんにちは!OPENERSです。

ワークの方は取り組んで頂けているでしょうか?ワークの回答は是非、このOPENERSのLINEに直接書き込んでみて下さい! それが一番簡単にワークに取り組めて、確実に学びを定着させる方法です。

 あなたもこれからワークに取り組まれると思います。その中でどんどんあなたがこれまで抱いていた観念に注目してほしいと思います。

  • 嘔吐恐怖症の自分には価値が無い
  • 治らないのは自分が悪いから
  • 治らないとお先真っ暗だ
  • 自分以外はみんな楽しそうに生きている

 かつては私もこのような観念ばかりを抱いていました。

 このような観念は嘔吐恐怖症の克服を遠ざけてしまいます。ワークに取り組まれる中で、いろいろな観念に気づき「しまった・・・こんな風な偏った考え方をしていたのか・・・」とショックを受けることもあると思います。

 ですが、その観念に気づくこと自体が大きな進歩なのです。人はほとんど自分の観念を疑いません。そのように考えることが楽であり一時的には安心できるからです。自分がどういう観念を持っているかを知ることが観念を変えていくスタートなのです。

 あなたもワークに取り組んで、まず自分の観念を知ってください。そしてその観念を覚えておいてください。このOPENERSを通して、その観念がどのように変化していくかを見て下さい!きっと大きな変化があることでしょう。人間の観念は自身の取り組みで確実に変えていくことが可能なのです。

 さてOPENERSもいよいよスタートしました。今回の開催にあたり、事前にお悩みもたくさん届いています。

  • 自分が吐いたり、気持ち悪くなるのが怖い
  • 会食に行けない
  • 他人が体調悪そうにしているだけでも、逃げ出したくなってしまう
  • 外出や旅行が心配
  • 体調のことで自分を責めてしまう

 こうしたお悩みは嘔吐恐怖症の方あるあるだと思います。特に症状があることで自分を責めてしまう、余計に不安を大きくしてしまうケースがあると思います。

 普通は症状が改善していくことで、どんどん自信がついてくる、自分を責めなくなる、不安も減っていくと感じてしまいますがここに少し現実との乖離があります。

 前回もお伝えしたように、人間は基本的に徹底的にネガティブに考えるように出来ています。ほとんど嘔吐恐怖症の症状が無くなった後でも「また嘔吐恐怖症が悪くなるんじゃないか」とか「まだ嘔吐恐怖症について考えてしまうので治ってないんじゃないか」など色んな不安を心はつぶやきます。(でも大丈夫です。不安が気にならなくなる方法をたくさんお伝えしていきますから!)

 上記のような克服のイメージだけを持っていると、いつまで経っても治らない!と間違った判断となり、克服を遠ざけてしまいます。

 実際には「自分を責めない方法を知る」「不安との付き合い方を知る」そしてこれらが当たり前になる基礎となるマインドを構築することで症状が改善していきます。OPENERSではこれらの方法をお伝えしていきます。

 まず現状の自分を知り、自分を認めることから改善は始まっていきます。こうして現状のお悩みを出しておくのも現状の自分を知ることにつながりますよね!

嘔吐恐怖症はありふれた病?

 それでは講義に入っていきますね!今回は嘔吐恐怖症の正体について学びます。まず私達が立ち向かうべき敵!?を知らなければいけません。

 あなたも嘔吐恐怖症が発症した当初は、何が起きているのかよくわからず、不安な日々を経験されたと思います。そもそも嘔吐恐怖症についての情報が少なく、どうやって治療していけば良いかも分からないからではないでしょうか?

 今回のコンテンツでは、この嘔吐恐怖症が実は「ありふれた病」であることを理解して頂きます。苦しみを緩和するためのファーストステップは苦しみが「よくあること」と知ることです!

 

 このOPENERSを受講されたあなたは以下のような症状に悩まされていかと思います。一口に嘔吐恐怖症と言っても、その症状は実に様々なものがあります。

  • 会食やお酒の場で吐くのではないか、という恐怖が強く気持ち悪くなる。不安で食べ進めることができない。食べるどころか、その場にいるのもつらいと感じることがある。
  • 吐き気・胃痛・喉の渇き・動悸・緘黙・嚥下といった症状が出る。
  • 少し気持ち悪さや吐き気を感じると、吐いてしまう!とパニックになる。そこから自分を落ち着かせることが出来ずに、沼にはまってしまう。
  • 吐いたらどうしようという不安に加えて「残したら怒られる」「嫌われる」「みんなが見ている」といった会食恐怖症の不安もある。
  • 一人での外食ができない。
  • 吐くのが怖くて食べられない自分がよくわからない。原因も理由も克服方法もわからず途方に暮れている。
  • 吐くのが怖くて、一日三度の食事を満足に取れない。食べられないストレスとプレッシャーで余計に食べられない。
  • 会食が近づいてくると予期不安で体調が悪くなる。不安で予定を入れられない。
  • 他人の嘔吐や吐しゃ物など、嘔吐にまつわるものに恐怖心がある。それらに遭遇するとパニックになり体調が悪くなる。
  • 嘔吐恐怖症のせいで将来が常に不安。毎日が楽しくない。

 どの症状にも共通しているのは、その背後に「吐いたらどうしよう」「吐くのが怖い」という不安があることです。

 このような症状は嘔吐恐怖症と呼ばれ、嘔吐に対する恐怖で日常生活に支障が出る病気です。 嘔吐に対する恐怖が気持ち悪さを強め、日常の中で慢性的な気持ち悪さが起こったりもします。会食の場だけこの「吐いたらどうしよう」という気持ちが出る場合もありますが、その他の場面でも同じ気持ちが起こり、電⾞に乗り⾟くなったり、普段の食事がとり⾟くなったり、会食以外の場面でも支障をきたすことがあります。

嘔吐恐怖症の3タイプ

 嘔吐恐怖症の方は嘔吐に対する恐怖を抱えていますが、恐怖となる対象も異なります。「吐いているのを人に⾒られるのが怖い」「吐くという⾏為そのものが(苦しみ・死を連想させて)怖い」「他人が吐いている姿や吐しゃ物を⾒るのが怖い」などなど、その恐怖の対象は様々です。

 会食の場で症状が出る場合には「会食恐怖症」に分類されることもありますが、「気持ち悪くなるのが怖い」「吐いてしまうのが怖い」という気持ちが原因で会食が出来ない場合は、嘔吐恐怖症であると言えますね。

 こういう症状にはちゃんとした名前が無いのでカウンセラー界隈では「吐いたらどうしようタイプの会食恐怖症」という分かりやすい名前を付けて区別したりします。このOPENERSで会食恐怖症という言葉は「吐いたらどうしようタイプの会食恐怖症」を指します。

 まとめると嘔吐恐怖症は症状が以下の3タイプあるということですね!

  • 「吐くのが怖くて会食ができない」(吐いたらどうしようタイプの会食恐怖症)
  • 「吐くのが怖くて電車や車に乗れない」
  • 「他人が吐いている姿や吐しゃ物を⾒るのが怖い」

 OPENERSではこの吐いたらどうしようタイプの会食恐怖症も嘔吐恐怖症の症状の一つと分類しますので、以降は全ての症状を嘔吐恐怖症という言葉に統一して使っていきます。

 また「一人でも吐くのが怖くて満足に食事がとれない」という症例も嘔吐恐怖症では良くあります。吐いてしまうこと、痩せてしまうこと、体調を崩してしまうことへのプレッシャーから、日々の食事をとるのが難しくなります。これは「吐くのが怖くて食べることができない」「自分が吐くのが怖い」という意味で、「吐くのが怖くて会食ができない」と同じタイプに含まれます。

 一口に嘔吐恐怖症と言っても、人によってタイプは異なります。また複数のタイプに症状がまたがる場合もあります。3つのタイプのうち、ひとつだけ当てはまる人もいれば、3つ全てに当てはまる人もいます。私はかつて3つ全てに当てはまるタイプでした。(「他人が吐いている姿や吐しゃ物を⾒るのが怖い」の症状は軽微でしたが)

 3つ全てに当てはまるからといって、症状が重い訳ではありません。3タイプありますが症状が出る原因は全て同じなので、ひとつのタイプを克服すると、あとの2つの克服も進んでいきます。

 さてこの嘔吐恐怖症ですが、はっきりとした疾病の分類があるわけではありません。

 一方、会食恐怖症は精神医療の分野では「社交不安症」のひとつとされています。 「社交不安症」とは「社交機会に対して健全でない強い不安を覚え、日常生活に支障をきたす精神的な疾患」とされ、会食恐怖症以外にもスピーチ恐怖、 電話恐怖、赤面恐怖、腹鳴恐怖、書痙(しょけい)など、様々なものがあります。

 簡単に言えば「誰かに⾒られていると、ある特定の⾏動がうまくできなくなってしまう病気」ということです。通常このような状態が半年近く続くと、 病院では「社交不安症」という診断になるようです。 症状は吐き気、めまい、胃痛、嚥下(食べ物が呑み込めない)、緘黙(黙り込んでしまう)、⼿の震え、嘔吐など様々です。

嘔吐恐怖症は社交不安症?

 では嘔吐恐怖症は単なる「社交不安症」なのでしょうか?ですが、嘔吐恐怖症の場合は「一人でも外食が出来ない」方もたくさんいらっしゃいますし、「電車や車に乗れない」「他人が吐いている姿や吐しゃ物を⾒るのが怖い」「吐くのが怖くて日々の食事をとるのも難しい」といった症状は説明がつきません。これは私の中でもずっと疑問でした。

 この問題がはっきりしたのは、日本最先端の嘔吐恐怖症心療をしている東京都赤坂クリニックのカウンセラーさんに話を聴きに行った時でした。

 そこでお話を伺うと嘔吐恐怖症は社交不安症よりも「パニック障害」に近いことが分かりました。(もちろん社交不安症の側面もありますが)あなたも経験はなくてもこのパニック障害という病気は聞いたことがあるのではないでしょうか?嘔吐恐怖症よりもずっと有名な病気で、心療内科ならまず間違いなく扱っているでしょう。

 パニック障害の場合は、パニック発作が出ることへの不安がよりパニック発作を強めます。これと同じく嘔吐恐怖症も嘔吐への不安がより様々な症状を強めます。不安の対象は違いますが、症状としては良く似た部分がありますので嘔吐恐怖症は「社交不安症の側面もあるパニック障害の一種」であると言えます。

 つまり嘔吐恐怖症とマニアックな名前がつくと情報も少なくて、治療法も存在しないのでは?と思い込みがちですが、社交不安症の側面もあるパニック障害の一種と捉えれば、社交不安症やパニック障害に対する治療法が効果的であることが分かりますよね?そして実際に全てが効果的なのです。(これからお伝えしていく認知行動療法・不安を減らす考え方・瞑想などがあります)

 この発見は非常に大きなブレイクスルーとなりました。これまで会食恐怖症のことはネットに情報があったりするけど「でも一人でも吐いたらどうしようって思っちゃうし、電車の中でも吐いたらどうしようって思っちゃうし・・・なんか自分の症状と違うな」「自分だけ特殊なんじゃ、異常なんじゃ・・・」 と悩みを深めていました。

 なんとか自分を会食恐怖症に当てはめようと思っても、当てはまらない。そんなマイナーな病気にも当てはまらない。やがてこんなことに悩んでいるのは自分だけとどんどん孤立していきました。

 自分が嘔吐恐怖症と分かった時、それがパニック障害に近いと分かった時、自分だけが抱えていた悩みが急に一般化され、「誰にでもあることなんだ!」と思えるようになりました。克服への大きなきっかけになりました。

誰もが不安障害を抱える時代

 こうした社交不安症やパニック障害を含めた疾病全般を「不安障害」と言ったりします。社会が発展して豊かになる一方で、こうした不安障害は増加傾向にあります。以前のコンテンツでも説明しましたが、生活が豊かになるほどに、「常に幸福でいるのが普通」という思い込みが生まれ、ネガティブ感情に抵抗する傾向が強くなった為でしょう。

 米国立精神衛生研究所では年間を通して5人に1人の成人が不安障害に悩んでいたという統計を発表しています。10代の若者になればこの数字はさらに上がり25%が病的な不安障害を抱えています。成人期全体を通してみるとこの数字はさらに高くなり3人に1人が不安障害を経験します。

 しかもこの数字は不安障害と診断された人のケースに限ります。これに加えて日々の様々なストレスも加わるわけです。こうして考えると私たちは不安を経験せずに生きること、不安に健康を脅かされずに生きるのは相当難しいことがお分かり頂けるでしょう。不安障害は人生の中で起こりうる非常にありふれた疾病なのです。

 こうなるともはやメンタルが強いとか弱いとかいう話では済まされなくなってきます。私達は誰でも不安に健康を脅かされる時代に生きていますので備えていく必要があるのです。嘔吐恐怖症をそのきっかけにしていきたいのです。

嘔吐恐怖症は病気なのか?

 病気の定義は人によって様々です。病気とは何ですか?と聞かれるとお医者さんでも答えに窮する場合がありそうです。

 ひとつ病気の定義を挙げてみるとするならば、「体のどこかの機能に異常をきたし、健康的な充実した生活を送ることが出来ない状態」かと思います。

 では嘔吐恐怖症は一体、どこが異常をきたしているのでしょうか?もともと胃腸が弱かったり、気持ち悪くなりやすい体質の方はいますが、身体機能面で病院で具体的な病名がつけられることは多くはありません。

 私もすぐに気持ち悪くなってしまうので、これまで散々胃カメラをはじめとした検査を受けてきましたが、身体機能面で異常が見つかったことは無かったです。その度に「やっぱりメンタルの問題じゃないか!」と落ち込みました。

 すると精神の部分が異常という話になってきますが、これも少し違います。これまで散々述べてきたように人間は基本的にとてもネガティブな生き物です。そして過去に大きなショックを受けた出来事に対しては、もう同じ目に合わないようにその場面を避けようとする機能が生存本能として備わっているのです。

 ですから過去に会食や嘔吐にまつわるショックな体験をした人は、それらに対してネガティブに反応してしまうのは当然のことなのです。メンタルが弱いといった話ではありません。「吐くのが怖い」「会食に行けない」といった症状さえも、実は人間の生存本能が正常に働いている結果なのです。

 そういう意味では嘔吐恐怖症に関しては、体のどこにも異常はありません。体は全て正常に機能しています。

 嘔吐恐怖症を自覚すると、まるで自分が普通の人で無くなってしまった感覚に悩むと思います。ですが体の機能はいたって正常であり、普通の人と違うのはただ「過去に会食や嘔吐にまつわるショックな体験をしたかどうか」これだけです。

 そうなると嘔吐恐怖症を病気であると断言しちゃうのも、なんだかおかしな気がしますね。もう病気ではなく、個性であるといった位置づけの方が正しいように思います。「自分は病気なんだ」「自分が異常だから」「メンタルが弱いから」など自分を責める必要もないこともお分かり頂けるかと思います。

 嘔吐恐怖症の自分を責めるのではなく、それを個性と捉えて上手く付き合っていくことが重要なのです。その方法をOPENERSではお伝えしていきます。

嘔吐恐怖症はありふれた病

 ここまでくると嘔吐恐怖症さえも、それほど珍しいことでは無いですよね?実際私もカウンセリング活動を始めて1年足らずで、のべ300人以上の方にカウンセリングを行ってきました。他にもカウンセラーはたくさんいますし、そもそもカウンセリングを受けてみよう!と一歩踏み出される方の方が少数ですからね。(かつて私も相談する勇気が全くありませんでした)

 さらに嘔吐恐怖症の症状の出方も様々ですから、なかなか症状が悪化して来ないとそのままにしてしまうケースも多いですよね。嘔吐恐怖症グレーゾーンの方もたくさんいるでしょう。そう考えると相当数の方が嘔吐恐怖症に悩んでいることが分かります。まとめると

  • 嘔吐恐怖症はよくある不安障害の一つである。
  • 不安障害の治療法全般が嘔吐恐怖症にも効果的である。
  • 嘔吐恐怖症を自分のどこかが異常な病気だと思う必要はない。

ということなのですね!

 実は自分で積極的に克服しようとしなくても、「自分の病気がありふれた病気であることを知る」「同じ病気の人がたくさんいることを知る」だけでも症状は大きく改善する場合があります。

 人間は抱えている悩みが自分だけのものと思い込んだ時に、猛烈にストレスを増やしてしまいます。ですがあなたが抱えたお悩みは必ず他の誰かが抱えているお悩みです。

 もう一度強調させて頂くと、

 嘔吐恐怖症はよくある病気です!

 これを念頭に置いて、これから頑張っていきましょう!

 コレだけはやろう

嘔吐恐怖症の自分を責めてしまったら、「嘔吐恐怖症はよくある病気であること」「自分が異常だと思う必要はないこと」を思い出そう!

同じ悩みを持つ人と交流しよう

 今回は「嘔吐恐怖症はよくある病気であること」をお伝えしてきましたが、このような視点は同じ嘔吐恐怖症の人との交流を持つことでどんどん育っていきます。他の人の悩みを聞いたり、自分の悩みを打ち明けてみることで、どんどん客観的な視点が育ち自分に対する批判的な態度も減っていきます。

 もちろんカウンセラーもひとりの当事者ですから、既にあなたは同じ嘔吐恐怖症の人との交流を持っていますね!こういう機会は多ければ多いほど良いです。

 現在はネット上でのオフ会などもあったりして、以前よりも同じトピックに関心を持つ人どうしの交流も持ちやすくなっています。機会があれば積極的に関わりを持つようにしてみましょう。

今回のワーク

 今回のワークはこちらです。ワークに取り組むことで、このコンテンツを受講して自分がこれからするべき行動が具体化されるようになっています。具体化した行動は毎日の習慣としてください。

 

今回は2枚のワークです。