さて前回セルフコンパッションの基礎についてお伝えしました。そしてどんなネガティブ感情にも対処するための「心の処方箋」をお伝えしました。セルフコンパッションを基礎は前回お伝えした通りで、「他人に向けている慈悲を自分に向ける」です。

 少しづつ自分に普段かけている言葉を「大切な人に贈る言葉にするとしたらどうなるか?」という視点で捉えなおしてみましょう。この態度があれば十分セルフコンパッションできていますが、今回はさらにこのセルフコンパッションを高めるテクニックについてお伝えしたいと思います。 

スージングタッチ

 「スージングタッチ」は非常に簡単なセルフコンパッションの効果を高めるテクニックです。これは「自分の体に触れる」という超シンプルなテクニックです。

 人間は自分の体に触れているだけで、安心感が増す効果があります。よく腕ぐみをしたり、ポケットに手を入れて歩く人がいますよね?ああいった行動も無意識に安心感がますからだと言われています。

 人の手を握ったり、抱擁した時も安心感がありますが、こういった効果を自分に与えてあげるテクニックです。自分にセルフコンパッションを与える時、つまり優しい言葉をかえてあげる時に一緒にやると効果的です。

セルフハグ

 よく使われるのが「セルフハグ」という方法です。これは自分で自分を抱きしめてあげる方法です。自分の両腕で自分の体をギュ~ッと抱きしめます。10秒くらい行ってください。

 慈悲的な言葉をかけながら自分の皮膚の感覚や、体温を感じてみましょう。自分でやっていても、より安心感が増すと思います。なんだか心がじんわり暖かくなる感じがしますので、是非セルフコンパッションの際にやってみましょう。 

頬っぺたを温める

 とはいえ、ネガティブ感情になるのは家だけでなく職場でも同じです。なかなか公共の場でセルフハグはやりにくいですよね。そんな時は自分の顔・首・胸に手を当てる方法がオススメです。安心できる人に「大丈夫だよ」と言われながら体を触られている感じをイメージしましょう。こちらも効果があります。

 とくに自分の手の平で頬っぺたを触るのがオススメです。自分の体温を直に感じることが出来るので、より触れれている感覚を感じることが出来ます。じっと感覚を味わいながら、落ち着くまで慈悲の言葉をかけてあげましょう。自分の中で一番気持ちよく、安心感を得られる触れ方を探ってみましょう。

あなたを癒す魔法の言葉

 セルフコンパッションでは慈悲の言葉を自分にかけていきます。この言葉は自分と同じ境遇におかれた大切な人にかける言葉として、考えていくのが良いことをお伝えしました。ですが状況によってはうまい言葉がすぐに見つからないかもしれません。またセルフコンパッションでは表面的な言葉では効果が得られません。本当にあなたがその瞬間に言われたいような言葉でなければいけません。

 これからどんな状況でもあなたを癒せる魔法の言葉を見つけていきます。普段のセルフコンパッションで状況に応じた良い慈悲の言葉が見つからない時、また後述の慈悲の瞑想で汎用的に使える魔法の言葉です。

 今回のワークではあなたを癒す魔法の言葉を見つけていきます。ワークのシートに魔法の言葉を見つけていくための質問を用意しています。ちなみに私の魔法の言葉を4つ持っています

  • 「ありのままの自分を愛し、愛されますように」
  • 「一生成長して、充実した人生になりますように」
  • 「私の優しさで、たくさんの人を幸せにできますように」
  • 「ありのままの自分で、穏やかに安らかに暮らせますように」

あなたには何が一番必要ですか?

 まず最初の質問はこれです。あなたが今一番必要としているのは何でしょうか?ここで答えになるのは物質的なものではありません。人とつながる、愛される、穏やかでいる、自由でいるなど誰でも必要としそうなものを選択してください。

 私は以下のようなキーワードを上げてみました。「成長していく」「健康でいる」「誰にでも優しくなる」このようにキーワードでも良いですし以下のような短文でも良いでしょう。

  • 誰にでも優しくできますように
  • 私にはいつでも帰る場所があることを忘れませんように
  • 穏やかに暮らせますように
  • 自分を好きになれますように

あなたが言われたい言葉はなんでしょうか?

 キーワードが出てきたら、その必要なものを他人から与えてもらう形に直します。例えば、穏やかに暮らすことが必要なら、「大丈夫、あなたはあなたのままで穏やかに暮らしていけるよ」といった感じで慈悲的な言葉を交えて作成しましょう。私は以下のような言葉を言われたいと想像しました。(だんだん恥ずかしくなってきましたが、こうした言葉こそ今あなたが一番必要としている言葉なのです。)

  • あなたはあなたのままでいい。あなたのままでみんなに愛されるでしょう。
  • あなたはどんどん成長しているから、きっと充実した人生になるでしょう。
  • あなたはとても優しい。あなたの優しさでたくさんの人が幸福になっているよ。
  • あなたはあなたのままでいい。あなたのままで穏やかに健康に暮らせるよ。

言われたい言葉を短く願い事にしましょう

 上記で出てきた言葉を魔法の言葉にしても良いですが、普段のセルフコンパッションや瞑想に活用していくなら、さらに短く覚えやすい願い事のような形が良いでしょう。上記の言葉を自分で短く唱えられる願い事の形にしましょう。数が多すぎると覚えられないので、魔法の言葉は必要な順に4つ程度としておきましょう。こうして魔法の言葉が出来上がりました。

  • 「ありのままの自分を愛し、愛されますように」
  • 「一生成長して、充実した人生になりますように」
  • 「私の優しさで、たくさんの人を幸せにできますように」
  • 「ありのままの自分で、穏やかに安らかに暮らせますように」

 これらが今の皆様のストレスを最も低減する言葉になります。普段のセルフコンパッションや瞑想に活用すると、より効果が高まります。試しに今から目を閉じて、スージングタッチをしながら、安心している自分をイメージしながら魔法の言葉を心の中で唱えてみましょう。

 少し心がじんわり暖まる感じがしますでしょうか。安心感があるでしょうか。最初のうちはその感覚が弱いかもしれませんが、その感覚こそがまさにセルフコンパッションなのです。自分で自分に優しくして、自分を癒すということなのです。 

 場面ごとに魔法の言葉を用意しておくのも良いでしょう。会食の不安に対する魔法の言葉。挑戦した自分を褒める言葉。寝る前の自分にかける言葉。こうして日々のネガティブ感情に対して、それを放置するのではなく、どんなネガティブ感情にも対処するための「心の処方箋」、つまりマインドフルネスとセルフコンパッションを与えてあげることで、潜在意識がどんどん良い方向に書き換わっていくのです。

慈悲の瞑想

 慈悲の瞑想は、静座瞑想にセルフコンパッションの要素を取り入れたものです。

 静座瞑想中にセルフコンパッションの慈悲の言葉を静かに唱えることで、より高い瞑想の効果や、自分を癒す効果があります。通常の瞑想は45分間行えるようになるのが理想的ですが、この慈悲の瞑想は同等の効果が10分~15分で得られるという研究結果もあります。

 これは静座瞑想などの体を動かさない瞑想の最中にやるのがオススメです。集中力が切れそうになった時や眠くなった時に、自分の慈悲の言葉を唱えながら瞑想を行ってみましょう。

 私も45分間、何の変化もなしに瞑想を行い続けるのは難易度が高かったのですが、集中力が切れるタイミングでこの慈悲の瞑想を行う事で、集中力を維持しながら瞑想を行うことが出来るようになりました。また普通の瞑想よりも、安心感が心がじんわり暖かくなる感覚があります。魔法の言葉を作成したらぜひとも取り入れてみて下さい。やり方は以下の通りです。

 普通に瞑想を行う、呼吸に集中する。呼吸の合間に、ワークで作成した自分を癒す魔法の言葉を唱える。作業的ではなく、自分が本当にその言葉を欲している感覚、それを言われて安心する感覚を味わいながら静かに唱える。その言葉を言われて喜んでいる自分をイメージする。

 ゆっくり呼吸→合間に言葉を唱える→またゆっくり呼吸というリズムで続ける。

この慈悲の言葉をかけるのは瞑想中ずっとでなくてもかまいません。どこかのタイミングで10分でも行えば良いです。私は45分間の瞑想を行う際は、最初の25分間は普通に瞑想を行い、後半の20分はこの慈悲の言葉を交えながら行っています。

今回のワーク

 今回のワークはこちらです。ワークに取り組むことで、このコンテンツを受講して自分がこれからするべき行動が具体化されるようになっています。具体化した行動は毎日の習慣としてください。

 今回のワークは2枚です。