こんにちわ。カウンセラーのかずおかずです。

 今回は対談企画をお届けいたします。一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会 山口健太代表理事 と「吐いたらどうしようタイプの会食恐怖症・嘔吐恐怖症」について対談させて頂きました。私のカウンセラーとしての活動や、嘔吐恐怖症のよもやま話までたくさん聞いて頂きました。

山口さんとの出会い

 一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会の山口さんとの出会いは数年前。当時山口さんは日本で初めて「会食恐怖症」に関する本を出版され、私はただの当事者の一人として、その出版イベントに参加していました。当時は「会食恐怖症について、こんなに真剣に考えてくれる人がいるんだ」 と思いました。

 当時の私は社会人となってからしばらく時間も経ち、会食恐怖症・嘔吐恐怖症の症状もやや落ち着いてきた時期でしたので、「出来ればこのまま会食恐怖症・嘔吐恐怖症の事は考えないように生きていきたい」と思っていました。可能な限り会食恐怖症・嘔吐恐怖症との関わりを減らす事が自分の幸せにつながると信じていたのです。

 ですから山口さんとの出会いは衝撃を受けました。まだまだ情報の少なかった会食恐怖症を一つの社会課題として大きく掲げ、その課題解決のためにあらゆる活動をされていたからです。 そして山口さんはさらにその先の「会食恐怖症になって良かった!と言える未来を実現していきたい」という理念も掲げていました。

 それ以来、出来れば会食恐怖症・嘔吐恐怖症と距離を置きたいと思っていた私自身に変化がありました。

 こんな人がもっと増えれば、誰でも会食恐怖症・嘔吐恐怖症の克服に前向きになれる世の中が実現するかもしれない・・・

 こんな思いが生まれて以来、思いに突き動かされるままに行動してきました。気づいた頃には会食恐怖症・嘔吐恐怖症カウンセラーとなり、同じ悩みを抱えた方がたくさんついて来て下さるようになりました。

日本会食恐怖症克服支援協会とのコラボ企画

 私がカウンセラーとなってからも日本会食恐怖症克服支援協会とのコラボ企画を何度かお届けしています!昨年は嘔吐恐怖症克服講座の「おうと恐怖症ラボ」を共同で運営しました。そこで嘔吐恐怖症の方の克服活動を支援したり、当事者が自分で暴露療法を行える動画プログラムを制作したり、様々な形で関与させて頂きました。

 現在も新しいカウンセリング方法について共同で研究会を行うなど、「会食恐怖症・嘔吐恐怖症になって良かった!と言える未来を実現していきたい」
という共通の理念のもとに、様々な支援活動を行っております。

 今回の対談企画もまた新しいコラボ企画となりました。特に嘔吐恐怖症の方に読んで頂きたいと思います。私の過去の経験やカウンセリング活動の話を通して、共感や新しい気づきを得て頂けると大変嬉しく思います。それでは本編です!

対談:「吐いたらどうしようタイプの会食恐怖症・嘔吐恐怖症」

青:山口さん 橙:かずおかず

 こんにちわ。山口健太です。今回は会食恐怖症克服支援カウンセラーのかずさんとお届けしていきます。テーマは「吐いたらどうしようタイプの会食恐怖症・嘔吐恐怖症」です。かずさんよろしくお願いします。まずはかずさんの自己紹介をお願いします!

 私、会食恐怖症・嘔吐恐怖症カウンセラーのかずおかずと申します。私自身、幼少期の頃から会食恐怖症で、大学生の時は嘔吐恐怖症に悩んでいました。当時はそれらに関する情報が全然なくて、どうしたら治るのか全然分からず途方に暮れておりました。低空飛行な学生時代を送っていましたね。

 ずっと悩んでたんですが、良くなったきっかけは大学3年生の時に行ったカナダ旅行でした。嘔吐恐怖症の症状がかなり出てしまったのですが、症状の辛さよりもカナダの大自然を楽しむことが出来ました。この時から「症状があっても人生は楽しめる」という考えになりました。そこから変わり始めた感じです。

 それ以降、どうすれば良くなるか?というのをずっと考えてきて、今は人との食事も楽しめるほどに回復しました。

 当時はすごく悩んでいたのですが、誰に相談しても良い回答が得られなかったのがすごいショックでした。(心療内科の先生にも「気にしないで」と済まされてしまいました。)

 当時の事を今になって思いだすと、あの時もっと早く正しい情報を教えてくれる人がいたらな・・・、とずっと思っていました。それから山口さんや日本会食恐怖症克服支援協会との出会いもあって、自分でもカウンセラーとして「当時、自分が知りたかった情報をどんどん届けていきたい」という思いで活動しています。

 はい、ありがとうございます。幼少期から悩んでいたという事ですが、具体的にはどのように過ごされたのですか?

 もともとあまり食べる子じゃなかったですね。小学校高学年の時に一度給食を戻してしまったのと、その時の担任の先生が完食に厳しかったので、あまり給食は好きじゃなかったですね。その頃から会食恐怖症っていう自覚がありました。(もちろん「会食恐怖症」っていう言葉は知らなかったですけど)それから、だましだましやってきたんですけど、大学生になると今度は嘔吐恐怖症の症状も出てくるようになりました。

 なるほど。嘔吐恐怖症の大学生時代は、どんな感じで悩まれていたのですか?

 大学生の頃はとにかく、人との食事どころではなく、「胃に物が入っている状態に耐えられない」感じになっていました。とにかく「吐いたらどうしよう」という気持ちが強すぎて、日々の食事もとれないし、人との食事も全部断るし。かといって心療内科や内科に行っても何も異常が無くて、そんな状態が長く続いてて、どうしようかって感じでした。

 身近な人に相談したりしましたか?

 親や友達には直接的な表現ではないにしろ伝えてみたこともありましたが、やっぱり理解されないですよね。「大学のストレス?」なんて心配のされ方をするんですけど、全然違うんですよね。「吐いたらどうしよう」っていう気持ちを上手に伝えることが出来なくて、伝えても理解されない感じだったんで、次第に誰にも言わないようになりました。

 なるほど。カナダ旅行に行ったことで、「症状があっても楽しめる」という考えになったという事でしたが、それ以外に良くするためにどういう事をやってこられましたか?

 カナダにいったあたりから、「症状を気にしてても何もできない」という考えになって、「症状が出る出ない」は別にして自分のやりたい事をやる意識に変わりました。企業のインターンや研究室の行事でも「自分がやりたい」という気持ちがあれば不安でも参加しました。その中で人との食事の機会も必ずあるので、徐々に慣れていきながら、「どうやったら良くなるか、乗り切れるか」という感覚をさぐっていきました。

 今はカウンセラーとして、支援したり導く立場ですが、普段はどんな相談が多いですか?

 私は嘔吐恐怖症を掲げてカウンセラー活動をしているので、やっぱり当時の自分と同じ症状の方が多いですね。「人と食事ができない」はもちろんですが「家でも食事ができない、親に心配される」「普段からずっと気持ち悪い、病院に行っても異常が無い」みたいな相談が多いですね。

 それに対してはどのようなアドバイスをされてるんですか?

 良くしていく方法はいっぱいあるんですけど、まず嘔吐恐怖症という病気を知らない人が多いですよね。それによって「自分が何かおかしいんじゃないか」「悩んでいるのは自分だけなんじゃないか」みたいな自分を責めてしまう人が多いですよね。

 もちろん良くしていく方法もお伝えしますけど、嘔吐恐怖症という病気はよくある事で、治し方もあって、それに導くカウンセラーもいるという事をまずお伝えしています。

 なるほど。これを聞いている人・読んでいる人で嘔吐恐怖症に悩んでいる人も多いと思いますが、そういう人達が一歩踏み出すには、ちょっとした事でも、どうすれば良いと思いますか?

 人に話すのが大事かなと思います。自分だけ悩んでいると考えてしまうと、より悩みを深くしてしまう事になってしまいます。もちろん嘔吐恐怖症を扱う病院もそうですが、まずはカウンセラーなどに相談して、自分の状態を把握して、良くするために何をしていくかを決めるだけでも安心感はあります。カウンセラーなどに自分の事を話すのを大事にしてもらいたいですね。

 確かに何も分からない状態よりは、「こうすると良い」という具体的なアドバイスがあった方が、未来に向けて明るく過ごせるきっかけになりますよね。

 孤立してしまわないってのがすごく大事だと思います。そういう病気があって、悩んでいる人がたくさんいる事を知るだけでも安心できますからね。

 なるほど、かずさんは協会の研修とか勉強会とか全部参加されて、すごく勉強熱心ですよね。プログラムとかも独自に作られていますよね。それらの一番の特徴って何ですか?

 一番こだわっているのは「気合や根性に頼らない」を大事にしています。当時「気持ちの問題でしょ」って言われるのが辛かったですから。20歳超えて食べられないなんて、それは気持ちの問題でしょって言われますよね。自分は食べようとしているのに、どんどん心と体が言う事を聞かなくなりました。「どうして自分は自分をコントロールできないんだ」って思ってました。

 いろいろ調べていくうちに気合や根性では良い方向に行かない事が分かってきました。不安や心配を無理になくそうとするのではなく、それを受け入れながら、徐々に小さくしていきながら、の方がうまくいきます。

 ですからそういう方向で、当時自分がしてもらいたかったやり方で、相談者さんにもお届けしたいと思っています。不安や心配に対して「そういう風な考え方をしないでください」とは絶対言いたくない。不安とか心配という感情を否定しない事をすごく大事にしています。

 なるほど、実際相談を受けた方からはどのような声を頂く事が多いですか?

 不安との向き合い方が変わってきたとの声が多いですね。自信がつけばつくほど良くなるイメージを皆様お持ちだと思いますが、そうではなくて不安があっても良い!という気持ちになった方が良くなります。それを実感したという声を頂きます。

 不安に対して強くなっていく感じですかね。

 そうですね。不安を上手に扱える、不安との向き合い方が良い方向に変わったという声が多いです。

 かずさんのカウンセリングを受ける人や、プログラムに参加する人にどんな未来を築いてほしいと思いますか?

 自分の感情を否定しない事を大事にしています。「どうしてこんな事を考えてしまうのか」「どうして自分はダメなのか」こういう態度を止めて、どんどん自分を好きになる、どんどん行動的になる未来を描いています。

 嘔吐恐怖症だから・・・ではなくて、その自分をまず受け入れる方法を学んでいき、その上で「嘔吐恐怖症を良くするにはこうする」「さらに先の未来を良くするにはこうする」といった感じにどんどん行動的になる未来を目指しています。

 最後にこれを聞いている人にメッセージや励ましの言葉はありますか?

 私、会食恐怖症・嘔吐恐怖症カウンセラーとして、無料のカウンセリングとかもやってます。ツイッターとかホームページも日本会食恐怖症克服支援協会のホームページにも載せて頂いてるので、是非そちらもチェックしてみてください。

 また最近嘔吐恐怖症向けの新しい克服プログラムも始めます。OPENERS(オープナーズ)と言いますが、嘔吐恐怖症の方が自力で克服に進んで行けるようなプログラムを立ち上げています。

 最近はマインドフルネスや瞑想が心理学の分野でホットな話題として上がっています。私自身、マインドフルネス瞑想を以前から実践し、会食恐怖症・嘔吐恐怖症に対するポジティブな効果も実感しています。

 OPENERSはマインドフルネス瞑想を会食恐怖症・嘔吐恐怖症の克服に活用しようという試みです。そういった新しい切り口で、恐怖症を克服していくプログラムを今立ち上げております。是非興味ある方はツイッターとかホームページもチェックしてみて下さい!

 ありがとうございます。今日はかずさんの話を色々紹介してきましたが、参考になった所があれば嬉しく思います。かずさんありがとうございました!

 ありがとうございました。

 山口さんには今回の嘔吐恐怖症克服プログラムOPENERSを立ち上げるにあたり、多くの助言を頂いております。今後も日本会食恐怖症克服支援協会との共同企画をどんどんお届けしていきたいと思います!最後までお読みいただきありがとうございました。

 嘔吐恐怖症克服プログラムOPENERSの参加やプログラムの詳細についてのご案内は↓の参加予約LINE限定で受け取れます。是非こちらから続きのご案内を受け取ってみて下さい!

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