おうちで・ひとりで治す会食恐怖症・嘔吐恐怖症

 こんにちわ!記事をご覧いただきありがとうございます。

 今回も引き続き「おうちで・ひとりで治す会食恐怖症・嘔吐恐怖症」をテーマにお伝えしていきたいと思います。

 これまで瞑想・セルフコンパッションなど、おうちで・ひとりで取り組めて、なおかつ会食恐怖症・嘔吐恐怖症の克服に非常に重要な役割を果たす心理技術をお伝えしてきました。

 一つ一つの方法は今日から誰でも始められる簡単なものです。ですがこうした方法に注目して長く取り組む事で、後に大きな変化をもたらします。

 「おうちで・ひとりで治す会食恐怖症・嘔吐恐怖症」のテーマでお伝えする内容は、人生の質そのものを高めていく方法でもあります。是非このシリーズで、自分を良き方向に変えていくきっかけをつかんで頂きたいと思います。

毎日をフローに過ごす大切さ

 これまで以下のような心の状態、すなわちレジリエンスを強化していく事が重要である事をお伝えしました。

  • 会食恐怖症・嘔吐恐怖症の自分を受け入れる・好きになる、自分に価値があると思える。
  • 病気について悩みすぎない。毎日を不安少なく充実して過ごせている。
  • 自分に対して自己批判をしない。自分を励ませる。

 今回もこのレジリエンスをさらに強化していくために重要な方法をお伝えしていきます!

 今回お伝えする方法は、毎日取り組んで頂くものと言うよりは、「生き方」のお話です。これまでの方法よりも、もっと日常生活に根差したお話です。

 さて、いきなりですがあなたは今楽しいですか?毎日ワクワクしながら生きる事が出来ているでしょうか?

 毎日ワクワク楽しく、充実して生きている状態を「フロー状態」と言い、逆に毎日不安で楽しくなく、チャレンジ意欲の無い状態を「ノンフロー状態」と言います。

 今回はこのフロー状態で生きる事が、恐怖症の克服にとって非常に重要である事をお伝えします。

フローに過ごせば勝手に良くなる

 どうしてフローに過ごす事が、会食恐怖症・嘔吐恐怖症の克服に重要なのでしょうか?

 例え他の事が楽しくても、自分の病気の問題は残ったままですよね?そこは何も変わらないし、問題が解決される訳でもない。そう考えてしまうと思います。

 そして、かつても私も同じように考えていました。(今思うとこれは大変にもったいない事です。。)

 他をどうしようが、自分の嘔吐恐怖症が良くなる訳でもない。何をやっても無駄だ。そう考えると何もやる気が起きません。とりあえず大学に行って講義を受けるという最低限の活動だけをして、あとはネットとゲームの世界にこもりっきりでした。

 ですがこれは大きな誤りです。実は恐怖症の事は一旦忘れて、他の活動を楽しむ、毎日をフローに過ごすだけでも勝手に恐怖症は改善されていくのです。

目標・楽しみが無いと悩みすぎてしまう

 毎日をフローに過ごすには、趣味や他人との交流といった楽しみ、なりたい自分に向かって目標を立てて頑張るといった活動が必要です。

 このように毎日精力的に活動して楽しまなければ、自分の中で病気の問題が大きくなりすぎてしまうのです。

 かつての私にはネットとゲーム以外に活動がありませんでした。自分のアイデンティティがほとんど無い状態です。すると嘔吐恐怖症=自分の唯一のアイデンティティという図式が出来てしまい、問題が自分の中で大きくなりすぎました。

 嘔吐恐怖症が自分の唯一のアイデンティティとなってしまうと、その克服には相当なプレッシャーがかかり、なかなかうまくいきません。嘔吐恐怖症じゃない私は100点で、嘔吐恐怖症の私は0点という極端な考え方になってしまうからです。

 もしクラブ活動や友達との交流やアルバイトや趣味など、様々な事にチャレンジするとどうなるのでしょうか?自分の中でアイデンティティがたくさん増えますよね?

 友達がたくさんいたり、何か趣味特技を極めたり、お金を稼いだり、ボランティアをやったり・・・こうした活動があるほどに、自分のアイデンティティが増えます。自分の長所が色々言えるようになります。

 すると勝手にあなたのアイデンティティの中で、恐怖症の占める割合が減ってくるのです。私は恐怖症だけど、他に良い所がたくさんあるよね!という考え方が出来るようになります。焦って治そうとしなくても良いんじゃないという心の余裕も生まれます。

 だから病気の事は一旦忘れて、毎日をワクワク過ごせるような活動をたくさんしていく必要があるのですね!

 ここで重要な事は、本当に病気の問題は一旦棚に上げるという事です。病気の好不調とは関係なく、それ以外の事を存分に楽しんでいく意識を持ちましょう。すると病気の問題も勝手に癒えていきます。

気力を充実させる

 もうひとつフローに過ごす事が重要な理由があります。それはフローに過ごすと気力が充実するからなのですね。体力と同じように気力も消耗したり、回復したりします。

 あなたも体力の回復には気を付けていらっしゃると思いますが、この気力の回復も同じくらい大切です。気力は他に、やる気・元気・エネルギーと言い換えることもできます。気力が充実するとは、毎日に充実感がある、楽しい、といった状態なのです。

 恐怖症の克服に関わらず、気力は何をするにしても成功の源になります。気力が充実した状態でやると全てうまくいきます。気力が充実していると、以下のような理想の心の状態を実現できます。

  • 結果を期待しすぎない
  • 楽しみながら行動できる
  • 結果が出ない時も落ち込まない

 何事も成功するにはこのメンタリティーが一番良いとされています。ただ自分のやりたい事を結果を期待せずに、そのプロセスを楽しんでいる状態。この状態でいれば、感情に流される事無く、常に成功に向けて正しい行動を取り続けられるからです。

 しかし気力はいつでも充実する訳ではありません。というのも気力は何も意識しないでいると、どんどん流れ出ていくからです。

 あなたも大好きな音楽を聴いたり、友達を楽しく話したり、良いことがあると気力が充実して、色々やる気が湧いてきますよね?しかし時間が経つと、いつの間にかやる気が無くなってる。これは気づかないうちに気力が流れてしまっているからです。

 たくさん行動すると体力は減りますが、気力は減りません。気力が減るのは感情的になっている時です。

 日々嫌な事やストレスはたくさん降りかかります。その度に私達は感情的になり、いろいろ考え悩みます。

 「明日仕事だ、嫌だな・・・」「あの人と全然うまくいってないな・・・」「言われた事に腹が立つ」「明日の会食が不安」「病気が不安」

 こうした不安や悩みで、問題が解決に導かれ、気分が晴れる事はほとんどありません。その一方でこうした感情の処理をしている時には莫大な気力が消費されています。 感情的になった後は何もやる気が起きません。一度無くなった気力が回復するまで待たなくてはいけません。

 そして恐怖症の克服においてはこの気力が充実した状態を維持すると言うのがとても重要になってきます。気力に溢れていると、自己肯定感が高くなり、自分の行動の評価も正しく下せるようになり、行動も次々起こせるようになるからですね。

 例えば認知行動療法で会食に行ったがあまり食べられなかった、期待した結果では無かった場合でも、気力が充実している状態だと正しく評価できるようになります。「苦手な会食に挑戦できた」「練習だから食べられなくて当然」「次はここを改善したい」気力が充実していると、自分の思い通りにならないことがあっても、ダメージが少なく、次に挑戦しやすくなります。

 そして自分が期待した結果になった場合は「自分が変わってきている」「もっと行動を起こしたい」という良い自信にもつながりやすくなります。認知行動療法の結果がどうであれ、気力が充実した状態でいれば意識はどんどん良い方向に変わっていきます。

 日々の感情処理で気力を使ってしまうと、克服の為に使える気力がなくなってしまいます。日常をフローに過ごし、気力は常に高い状態を維持したいのです。

気力を循環させる

 では気力を充実させる行動とはどのようなものでしょうか?それは気力が循環する行動です。私達の気力は体力と同じように消耗したり、回復したりします。できるだけ気力を維持するには気力を上げるために気力を使う、気力を循環させるという意識が大切です。

 たとえば掃除です。掃除をするにはやる気、気力が必要ですよね。でもキレイに掃除が終わったらいい気分になり、充実感がありますね。これはつまり自分の気力を、気力を上げるための行動に使えた!という事なのですね。こうして気力が消耗することなく、高い状態を維持できるのです。

 このような自分の気力が循環する習慣をいくつ持っているか?が重要です。人生の時間のほとんどは、毎日の習慣、ルーティンワークで占められています。この習慣が気力を上げるのか、下げるのかでは気力の充実に大きな違いが出ます。

 掃除の他にも「お風呂にゆっくり入る」のも前向きな習慣ですね。ゆっくりお風呂に入ってリラックスするとより気力が充実します。他にも「運動をする」「野菜をたくさん食べる」「読書をする」「音楽を聴く・演奏する」「自然と触れ合う」など気力を充実させる方法は色々あります。やり終わった後に「次の行動に向けてやる気が出てきた!」という状態になれば、これは気力を上げる習慣と言えますね。

 こうした毎日の習慣を少しでも楽しく充実したものに変えていく、というのは気力を循環させる上で大きな違いを生みます。皆様も是非今日から自分の気力が上がる習慣を身に着けてみましょう。

 この記事では会食恐怖症・嘔吐恐怖症の克服に役立つ、日常をフローに過ごす事の大切さについて紹介しました。この記事を読んで自分もやってみたい!と興味を持って頂けたら幸いです。