不安から注意をそらす

 会食恐怖症・嘔吐恐怖症克服メールマガジン(会マグ)を受講頂き、ありがとうございます。 第十一回目の講義は「症状を抑える方法」です。前回まで認知行動療法についてお話しました。自分が苦手な場面に挑戦するのですから、当然症状が出てしまうこともあるでしょう。今回は会食恐怖症・嘔吐恐怖症の症状を抑える方法についてお話します。

 まずはどうして症状が出るのかを知りましょう。症状が出るのは不安が大きくなり、恐怖に変わるからです。人間は恐怖を感じると闘争・逃走反応という生理現象を起こしますが、これは人間の肉体的な機能を一時的に高める代わりに、それ以外の機能は停止してしまうのです。症状が出ると、喉が閉まったり、胃が痛くなったり、吐き気がしますよね?これは食べるという機能を一時的に止められてしまったからなのですね。心と体は「やばいぞ!ご飯食べてる場合じゃない!」というサインを発しているのですね。食べられないのは気持ちの問題では無く、そもそも体が食べ物を受け付ける状態では無いからです。

 ではどうして不安が大きくなり続けるのでしょうか︖それは「不安に注意が向き続けるから」です。不安に注意が向き続けている、というのはどんどん不安の連鎖が起きているということです。最初は⼩さな不安でもその不安を確かなものと信じこんでしまえば、さらなる不安を生んでしまうのです。「今日食べられるかな」という⼩さな不安がいつの間にか「いつ治るのか」「人生大丈夫かな」という大きな不安に変わってしまうのです。

 会食恐怖症・嘔吐恐怖症の症状は様々なものがありますが、原因は全てコレです。つまり「不安に向いている注意を他の物に向けて、連鎖を止めること」が不安を大きくしないということなのです。会食恐怖症も嘔吐恐怖症も克服が進んでいくと、この不安の連鎖が早い段階で止まる、もしくは不安は連鎖するけど、それがあまり現実的なものとしては感じない・・・という感覚になり、不安が大きくならないのですね。

会話を楽しむ

 会食の楽しみは食事だけではありません。みんなで会話を楽しむだけでも、会食に行く価値がありますよね?症状が出そう、と思ったら一度食事を止めて、会話を楽しむのがオススメです。会話に集中する瞬間が少しあるだけでも、不安が大きくなりすぎるのを防いでくれます。

 ここでのポイントは「症状が出そうだから、会話に集中してみる」という意識よりも「症状は出てもいいから、会話だけは楽しんでみる」という意識の方がうまくいく、ということです。前者は症状を止めるために無理に会話に集中しようとしますが、これでは自分にプレッシャーがかかってしまい、かえって集中できません。後者は症状が出る出ないは一旦あきらめて、会話だけを楽しんで帰ろうという意識ですね。会話だけでも楽しめれば、会食練習として十分な成果ですから。こちらの意識の方が結果的により会話をより楽しめて、不安も大きくなりません。

状況を実況する

 不安から注意をそらすために、自分の状況を実況するというのも良い方法です。周りの環境に注目し、⾒えている物、聞こえている音、感じる匂いや温度に意識を向けてそれをひたすらに心の中で実況するのです。

 例えば食べている途中に気持ちが悪くなってしまい、意識がそちらに⾏きそうになった場合に「さあ気持ちが悪く
なったので実況を開始します。店内には心地よい BGM が流れています。これは何の曲でしょうか︖入り⼝には観葉植物が置いてあります。これはなんの植物でしょうか︖お店の温度はどんな感じでしょうか︖やや寒い感じがしますね・・・」という感じでとにかく思考が途切れないように自分が感じるもの全て実況してみるのです。

 これをやっている間は意識が強制的に外に向くので気持ちが落ち着き、気持ち悪さが緩和されます。これは外出が苦手な嘔吐恐怖症の方にもオススメです。外出中や電車に乗っている時に気持ち悪さを感じたら、実況をやってみましょう。不安から注意がそれれば、ゆっくりと症状は治まっていきます。

開き直る

 良い意味で開き直るというのも、一つの方法です。不安がどうしても大きくなりそうな時は「あ~~~~あ!もうダメだこりゃ!」(自分史上一番幼稚っぽい感じで)と心のなかでつぶやいてみましょう。

 これは決してネガティブになっている訳ではありません。人間はネガティブでもポジティブでも何かしらの結論を出せば安心します。「も~~こりゃダメだあ」と雑に決めつけてしまう、つまり開き直ることでも不安から注意がそれます。ここでのポイントはどんなにネガティブな言葉でも良いですが、できるだけ雑に、幼稚につぶやくのがポイントです。

 「あ~~~あ、私は一生このままなんだね~~、ハイハイそれでもいいですよ~~~だ」「今日はもうダメダメ~~、帰って好きなことしよっと」こんな感じで皆様もお気に入りの開き直り言葉を見つけてみましょう。

おわりに

 今回の講義では会食恐怖症・嘔吐恐怖症の症状を抑える、つまり不安から注意をそらす方法をお話しました。不安から注意をそらす事ができれば、何でも症状を抑える方法になるのですね!次回は適切な自己主張について講義します。

 感想等も是非LINEチャットに書き込んでみてくださいね。自分の感想を書く、つまりアウトプットをすることでより理解を深めることができます。理解が深まると行動にもつながりやすくなりますよ!それでは最後までお読みいただきありがとうございました。

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