顕在意識と潜在意識

 会食恐怖症・嘔吐恐怖症克服メールマガジン(会マグ)を受講頂き、ありがとうございます。 第二回の講義は「会食恐怖症・嘔吐恐怖症の原因」です。原因を正しく理解することで、克服に向けて真っ直ぐ前進することができます。

 さて、今回はまず私たちの「意識」について講義していきたいと思います。意識がどう恐怖症に関係するのか?と思われるかもしれませんが、ここは恐怖症のカラクリを知る上でも非常に重要になってきますので、じっくり理解していきましょう。「意識」を意識しておくと、(なんだか変な日本語になってしまいましたが)より会食恐怖症・嘔吐恐怖症について理解が深まります!

 皆様は意識ってどういうものか意識されたことはありますか?(また変になってしまいました)「あ~お腹空いたな~」「明日は仕事だ、嫌だな~」「明日の会食不安だな~」「コロナが怖いから家にいよう」私達は生きているだけで、実に沢山の思考を生んで、それを元に行動を決定しています。意識とはすなわち思考、考え、意思、気持ち・・・などのワードに置き換えることができます。

 私達は自分のただ一つの意識に従って行動している、意識は私の意思をそのまま反映したもの、私は意識をコントロールして行動もコントロールしている・・・普通はこう考えていらっしゃると思います。

 ですが!実はこの意識には「潜在意識」と「顕在意識」の 2 種類があります。普段私たちは後者の顕在意識を認知することができます。ここまでお話してきた意識とは全て顕在意識のことなのです。

 それに対し潜在意識は私たちが心の奥底に持っている意識です。言葉にすることができないので、私たちがそういう意識を持っていることに気づくのはなかなか難しいですが、物事を認知する際の源になっている意識です。会食や嘔吐に恐怖に感じるのもこの潜在意識が、「会食や嘔吐は怖いものだ」と意識しているからなのですね。結論を言えば、この潜在意識に会食恐怖症・嘔吐恐怖症の原因があるのです。

潜在意識が意思・行動を決める

 この「潜在意識」と「顕在意識」ですが、その⼒には大きな差があります。なんと潜在意識は顕在意識の何万倍も⼒があると言われています。つま
り我々の本当の意思や⾏動を決めるのは潜在意識の方なのですね。この話を聞いても、まだ自分の中に潜在意識なるものが存在することが実感できないですよね?それでは一つ実験をしてみましょう。

 今から全力で「りんご」を怖がってみましょう。「りんごは恐ろしい!」「りんごは危険だ!」「もうりんごの事は考えたくない!」こうした言葉を心の中で唱えてみましょう。さていかがでしょうか?少しでもりんごが怖くなってきたでしょうか?

 ならないですよね!

 これはいくら私たちの顕在意識、つまり意識できる思考の部分でりんごを怖がろうとしても、りんごが怖くなることはありません。なぜなら潜在意識が「いや、りんごは美味しくて栄養満点だよ。何も怖いもんか」を意識しているからなのですね。私達はりんごで怖い思いを今までした経験が無いため、顕在意識はもちろん、潜在意識の部分にまで「りんごは怖くない」という意識が浸透しているのです。

 ですからいくら顕在意識の部分でりんごを怖がろうとしても絶対に怖くなれないわけです。潜在意識が意識と行動を決めているので、潜在意識が変わらない限りは、りんごが怖くなることはありません。

 では今度は逆バージョンを行ってみましょう。今から全力で会食恐怖症・嘔吐恐怖症を怖がらないようにしてみましょう。「私は会食恐怖症じゃないよ」「嘔吐恐怖症は完全になおったよ」「もう今後恐怖症について考えることはないよ」「恐怖症とは無縁の完璧な人生を送るよ」こうした言葉を心の中で唱えてみましょう。さていかがでしょうか?少しでも安心できましたか?

 できないですよね!

 ポジティブな言葉を唱えても、心の底では大きな反発があったのではないでしょうか?「こんな言葉を唱えて治るなら苦労しないよ・・・」という反発がありますよね?これは潜在意識が「会食や嘔吐は怖いものだ」と意識しているからなのですね。潜在意識と真逆の言葉を顕在意識で唱えても、すぐに潜在意識は反発します。「いやいや~、何言ってるんだよ。会食や嘔吐は怖いものだよ!以前それで怖い思いをしたじゃないか。会食や嘔吐は怖いから回避しないとダメなんだよ!」・・・とこんな感じですね。

 つまり私達が会食恐怖症・嘔吐恐怖症を克服していくにはこの潜在意識を変えていく必要があるのですね!潜在意識が「会食や嘔吐は怖くないや」となる方向に持っていきたいわけですね。また潜在意識が原因なら、顕在意識つまり自分の意思の力だけで恐怖症をコントロールするのは不可能という事です。

他の病気と同じ

 意思の力でコントロールできない!となれば、なんだか不安ですよね。ですがこれはつまり会食恐怖症・嘔吐恐怖症も他の病気と全く同じという事ですよね。意思の力でコントロールして治せる病気があるでしょうか?

 がんや心疾患やうつ病の人に対して、「もっと気持ちを強く持てば治る」なんてアドバイス全く間違ってますよね?意思の力でコントロールできないから病気なのです。そしてがんや心疾患やうつ病の人に対してはそれぞれ然るべき治療がありますよね。

 会食恐怖症・嘔吐恐怖症も全く同じです。意思の力でコントロールは必要ありません。必要なのは他の病気と同じく然るべき治療だけです。コントロールできないからと言って、自分の意思の弱さを責めたりする必要も全くないわけです。

会食恐怖症・嘔吐恐怖症の原因

 ここまで潜在意識についてお話してきましたね。となれば会食恐怖症・嘔吐恐怖症の原因は次のものになるでしょう。

 潜在意識が「会食が怖い︕」「嘔吐が怖い︕」と意識するようになったショックな出来事が起きた。
 その後会食ができない、嘔吐が怖い自分を責め続けた。

 こうした出来事で潜在意識が書き換わり、恐怖症が強化されてしまうのです。

 会食恐怖症のショックな出来事として一番多いのは幼少期の時に両親や学校の先生から受けた完食指導です。あまり食べられないのに早く残さず食べることを強要され、それができない子供には叱責・居残り・別室移動などの罰を与えます。そんな指導で食べられるようになるハズもなく、「人との食事は苦痛」というショックな出来事として残ります。

 嘔吐恐怖症のショックな出来事としては病気で体調が悪く吐いてしまって苦しい思いをしたり、食べている途中で気持ち悪くなったりといった体験です。また本人が直接嘔吐を体験していなくても親や友達が苦しそうに吐いているのを⾒たり、慢性的なストレスで食事を楽しめない時期が続いたりといった体験もショックな出来事になる場合があります。

おわりに

 今回の講義では会食恐怖症・嘔吐恐怖症の原因についてお伝えしました。原因は潜在意識にあったのですね!今後この潜在意識を良い方向に変えていくための方法をお伝えしていきたいと思います。次回は「回避行動と負のスパイラル」について講義します。

 感想等も是非LINEチャットに書き込んでみてくださいね。自分の感想を書く、つまりアウトプットをすることでより理解を深めることができます。理解が深まると行動にもつながりやすくなりますよ!それでは最後までお読みいただきありがとうございました。

 さらに詳しく会食恐怖症・嘔吐恐怖症の克服について知りたい方はこちら!