「人との食事が苦手!」会食練習に失敗はないという話
この記事の内容
「人との食事が苦手を治したい」だけど行く勇気がない
こんにちわ!この記事をご覧の方は以下のようなお悩みを抱えていませんか?このようなお悩みが、最近カウンセラーの私のもとによく届けられます。
会食恐怖症・嘔吐恐怖症を治すために、会食の練習をしないといけないことは分かってます。だけど「もし食べられなかったら・・・」とか「今以上に会食が苦手になったら・・・」という不安で練習する勇気がありません。どうすればよいでしょうか?
あなたも会食恐怖症を治すためには、会食を練習していく必要があることは知っていますよね?だけど練習には大きな不安が伴うのもまた事実です。特に一番不安が大きいのは練習がうまくいかなくて、今以上に症状が悪化することではないでしょうか?
これは私もずっと同じ不安を抱えていました。食べられないと練習の意味がない。もし食べられないと余計に症状が悪化する・・・と自分にプレッシャーをかけ続けていたので、会食の練習に行くのは本当に勇気が必要でした。
さらに食べられない時には、たくさん自己批判をしていました。練習に行った意味が無いだとか、何も出来なかった自分が情けないだとか、そんな言葉を自分にかけてより孤立を深めて、ストレスフルな会食練習となっていました。
ノーリスクで確実に効果があることなら、誰でも積極的に挑戦することが出来るでしょう。しかし上記のようなリスクがあると思い込んでしまうと、なかなか積極的に挑戦するのは困難でしょう。
このようなお悩みは会食恐怖症を治したいと思っている全ての人に共通するものです。誰でもネットや病院で「会食の練習をすれば治る」と聞いたからといって、すぐ行動に移れるわけではありません。
そこで本記事では、上記のようなお悩みを抱えたあたなに
- 「会食練習に失敗はない」
- 「会食練習の結果よりも行動の評価が大事」
という克服に向けて超重要なポイントをお伝えしたいと思います。これを知っているか知らないかで、会食練習への挑戦しやすさが大きく変わってきます。そして練習の効果も大きく高まります。
結論:会食練習に失敗はない
本記事でお伝えしたい事をまず一言で言い表すと、「会食練習に失敗はない」という事です。
これは会食を練習した結果がどうであれ(全然食べられなかったとしても)会食を練習した事は確実に克服に向けてプラスになっているという事です。練習をすることは悪化するリスクよりも、改善されるメリットの方が大きいという事です。
もしこれが事実なら、もっと気軽に会食練習に挑戦できると思います。ですがこれだけ聞いてもなかなか納得は難しいかもしれません。そして私自身もこれに納得できたのは会食恐怖症の克服後でした。このような考え、というより事実に至るまでに私自身も数えきれないほどに失敗を重ねてきたからです。
- 会食で食べられない事はしょっちゅう
- それこそ残しすぎてお店の人に怒られる
- 家族旅行で食事がほぼとれない状態で2日過ごす
なんてこともありました。こんなに失敗してしまえば普通もう会食なんて行きたくなくなるでしょう。・・・ですがそうした記憶がいつまでのネガティブに残り会食を楽しめないかと言えば、それは全く違いました。今は会食を楽しんでいます。
私もこうした一見失敗と思えるような経験はマイナスにしかならないと考えていました。そしてこうした失敗経験を積み上げていくと、どんどん人との食事が苦手になっていき、余計に克服が遠のいていくものと考えていました。
ですが実はこれ必ずしも正しいわけじゃないんです!
失敗経験で「人との食事が苦手!」は治っていく
成功体験を積み上げれば自信になって克服できる!だけどもし失敗したら余計に会食が苦手になる!というのが一般的な考えだと思います。
私もそう考えて会食練習に臨んでいました。しかしなんとか会食練習に挑戦して、いくつかの成功体験を続けるうちに、「あれ・・・?なんか今日調子悪い?どうしよう・・・せっかく前回まで調子良く食べれたのに・・・また元に戻っちゃうのか?」というような強い不安が起きるようになりました。
もちろん成功体験は大事ですが、それだけだと「成功体験を続けないといけない」というマインドになり、これは自分を苦しくしてしまう原因にもなります。 こうなるともう一度食べられない事があると大きく落ち込んでしまいます。
こんな時に自分を救ってくれるのが、失敗と思えるような経験です。成功体験を積み上げなければ!と考えるよりも、むしろ調子が悪い時の経験をたくさんして
- 「あの時も食べられなかったけど何とかなった」
- 「調子悪くても半分なら食べられる」
- 「会話を楽しむことはできる」
といったマインドを育てて、自分なりにできることを増やしていく方が克服に近づきます。 少しでもこのような気持ちがあるかないかで、会食へのプレッシャーは全然違ってきます。
そう考えると会食の場で経験することは全て自分の身になっていると言えます。例えば全然食べられなくも「敢えて残す練習ができた」と言えますし、もし残した事を誰かが指摘してきたら「自分の症状を相手に伝える練習をするチャンス」であると言えます。つまり何が起きたとしても、全部自分の糧となります。そういう意味で会食練習には失敗がありません。行くだけで100点なのです。
全ての経験が結局は自分の糧となってくれます。人間は失敗の前が一番不安が大きくなります。そして実際に不安なことを経験するほどに、その不安は軽減されていくのです。(何事も一度経験してしまえば、不安は少なくなるのです。)
失敗するほどにメンタルが安定する
こうした失敗が自分の糧になって、後から結果がついてくるというのは私のケースに限った話ではありません。心理研究の世界では、失敗や辛い経験をした人ほど、後の人生を充実させているというのは調査で分かっている事実なのです!
私達は自分の感情耐性、つまりどれだけネガティブな感情に耐えられるかの能力を大きく過小評価していると言われています。もちろん失敗や辛い経験があるとその時は落ち込みますが、人間にはちゃんと感情を処理して、よりストレスに強くしてくれる能力が備わっています。
私が経験した失敗も、当時はこの世の終わりぐらいに深刻に考えていましたが、今思い出してもあまりネガティブな感情は起きなくなっています。「あ~そんな事もあったかな~」という感じです。時間が経てば物事の捉え方というのは本当に大きく変わります。
- 失敗や辛い経験は後から自分の糧になるという事実をまず頭に入れて、会食練習に臨む。
このポイントを押さえるだけでも、会食への挑戦のしやすさ、そして練習の効果は大きく変わってきます。
会食練習はただ成功体験を積み上げれば良いものでもありませんし、それを続けるのは不可能です。必ず自分が思うような結果にならない事もあります。そんな時にどのような捉え方をしていくかというのは、会食練習と同じくらい重要なのです。
結果ではなく行動を評価する
そしてもうひとつ大事な視点があります。それは「会食練習の結果よりも行動の評価が大事」という事です。
ほとんどの人は会食の練習に行って、食べることができれば「会食恐怖症が治ってきている!いい感じだ!」という評価を下し、逆に食べることができなければ「会食恐怖症が悪化した!やっぱり自分は治らないんだ!」というような評価を下してしまうと思います。
確かに結果だけを見て自分の感情のままに評価を下してしまえば、このような評価になるでしょう。しかし会食恐怖症の症状が出る要因は自分のコントロールが及ばない範囲である場合もありますし、このような感情ベースの評価を続けていると、会食の練習を続けていくのが難しくなります。
そもそもいつでもうまくいくのが保証されていれば、練習をする必要もありませんよね!思うような結果にならない時は必ずあります。
感情の一喜一憂が大きい評価では、克服に向けてのエネルギーが分散してしまい、やがてやる気が無くなってしまいます。このような自分の感情に左右されず、ちゃんと事実を見て正しい行動の評価することが、克服のカギでもあります。
会食練習の評価は加点方式で
私たちは普段行動を減点方式で評価しています。これは何かに挑戦したときに「あそこができなかった、うまくいかなかった、だからダメだ」という評価方法です。そもそも苦手な会食に挑戦しているので、自分が思うように完璧に行うことなんて難しいですよね。なのに減点方式で評価を下していては良い評価になるわけありませんし、そういった評価は自分の感情ベースで、偏りが大きく、間違っています。
「感情一致効果」という有名な心理用語がありますが、これは「気分が良い時は何でもうまくいってるように見えて、悪い時は全部だめに見える」というものです。会食練習後の疲れている状態で、感情ベースの評価をしたって良くなるはずもないのです。
なんでもそうですが、物事に挑戦するときは加点方式で評価を行うべきです。これは自分が今日できたところを見て評価する方法です。例えば
- 会食に行けた
- 食べられなかったけど会話は楽しかった
- 友達に症状を打ち明けられた
- 少しだけでも味わっておいしく食べられた
などの評価ができます。自分ができたところを評価して、確実に成長していることを認識しましょう。そして挑戦した自分を褒めましょう! そうすることで次の行動へのモチベーションも維持できます。そして次の行動を起こしたことをまた加点方式で評価しましょう。
こうした加点方式のような正しい評価をすることで、自己肯定感の高まり克服に向けてより前向きになります。行動が次の行動のモチベーションになる良い循環が生まれてきます。
会食練習の評価も成長の証
これまで物事を減点方式で考えてきた人には、いきなり加点方式の考えが浸透するのは難しいかもしれません。ですが続けているうちに考え方のクセは確実に変わっていきます。
心の底から加点方式の評価ができない!と思う場合は、紙に自分のできたところを書き出して、それを読み上げるだけでも良いと思います。もしくは自分と同じ状況に置かれた友人を想定し、その友人にかける励ましの言葉を考えるのもよいエクササイズです。こうした会食後の評価を正しく行うという努力も含めて成長の証です。
会食だけでなく他の物事に対しても加点方式で評価を続けてあげると、自分で自分を励まして走り続ける能力が身に着きます。困難や逆境の中にあっても心が折れることなく、前を向ける能力が身に着きます。(これを心の回復力:レジリエンスとも言います)
会食や何かに挑戦した時は自分を褒めて正しい評価をして、レジリエンスを養いましょう。レジリエンスが身に着くと、失敗してもそこから自分は意味を見出して前に進んでいける!というマインドになるので失敗に対する抵抗が減ります。つまり予期不安に対しても強くなります。会食練習の評価も、自分を大きく成長させるチャンスなのです!
病院では見つからない視点
会食恐怖症や嘔吐恐怖症で病院にかかると、必ず認知行動療法を教わります。認知行動療法とはつまり会食練習のことで、自分が苦手な場面に徐々に挑戦していく事で慣れていく治療法です。
私も嘔吐恐怖症で病院にかかっていた時はこの認知行動療法をよく教えられました。これに挑戦しましょう、あれに挑戦しましょうといろいろなステップを組んで、自分なりの認知行動療法をカウンセラーさんの指導のもとで考えました。
ですが心の中では、「もし挑戦してうまくいかなかったら(私の場合は会食の場で気持ち悪くなること)どうなるんだ・・・」というのがずっと疑問でした。そもそも練習すれば良くなることなんて病院に行く前から何となくは分かっていましたし、おそらくあなたもそうでしょう。
病院ではどうすれば良くなるか?は詳しく教えてもらえますが、もし失敗して(失敗したと感じて)良くなっていると思えない時はどうするか?についてはあまり詳しく教えてもらえません。(もちろん探せばそこのケアまで行っている病院もあるのかもしれませんが・・・自分の病院はそうではありませんでした。)
認知行動療法を続けて、その効果を高めていくには良くなっていると思えない時も適切な感情のケアが必要ですが、こうした視点は何度も失敗しないとなかなか見えてこず、病院でも教えてもらえない事でした。ですがこれは会食練習と同じくらい、むしろそれ以上に重要なのです。
おわりに
本記事の内容をまとめます。
- 「会食練習に失敗はない」
- 「会食練習の結果よりも行動の評価が大事」
これから会食練習に挑戦していきたい!というあなたは是非この視点を最初に獲得して下さいね!
このような考え方は無理やりなポジティブシンキングとは少し異なります。これは別に会食恐怖症に限った話ではありません。全ての物事に共通して言える一番結果が出やすい行動姿勢がこれなのです。結果にこだわり過ぎず自分の行動を評価し続ける姿勢、そして行動を続けていく姿勢です。
会食の練習はそれ自体も大切ですが、むしろそれに挑戦した自分を褒めてレジリエンスを強化していく方にこそ意味があると思います。自分がこれまでの行動に対してどういう評価をしていたか振り返ってみましょう。それでは最後までお読みいただきありがとうございました。
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